
地域の “観光の未来” は、誰がデザインするのか
「SNSで話題になっていた場所に行ってきた」
「Instagramで見て、ずっと気になってたんです」
最近、そんな声を観光の現場で耳にすること、増えていませんか?
実際に足を運んでもらえるかどうかは、「検索されたか」よりも「思い出してもらえたか」「誰かから聞いたか」が決め手になる——そんな時代になってきています。
ネットの中に、自分たちの地域の姿はどれだけ「映って」いるのか。観光施設や飲食店など、地域のひとつひとつはがんばって発信しているのに、バラバラで、地域としての魅力が伝わっていない・・そんな状況に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
いま、必要とされているのは、「この地域って、なんかいいね」と思ってもらえるような、「地域全体の見え方」を設計 していくことです。
その役割を担うのは、「地域の中の人」である皆さんです。観光協会やDMO、自治体の観光担当者が、いわば「地域の編集者」として、情報の整理とデザインを担っていく。そうした動きが、地域の観光を次のステージに引き上げていきます。
観光の現場で起きている、5つの大きな変化
少し立ち止まって、「ここ数年で変わったこと」を振り返ってみましょう。
観光に関わる私たちの前提が、大きく変わってきています。
1. SNS・口コミ・MAP・動画が、“次の旅” を決めている
昔は「パンフレットを見て」や「旅行雑誌で特集されていたから」といった理由が主流でしたが、今は旅のきっかけの多くが、SNSやMAP、YouTubeやショート動画に変わっています。
特に若い世代では、「検索よりもレコメンド(おすすめ)」で場所を決めている傾向が顕著です。
2. “観光中の体験” そのものが、情報になる
お客様は、観光地に着いたその瞬間から、スマホで発信しています。
「景色がきれい」「ごはんがおいしい」「ここ、穴場だった」—— そういった投稿が、何よりも信頼され、次の来訪者のきっかけになります。
しかも、これは施設単体ではなく、「その町全体のイメージ」にまで影響しています。
3. 来訪導線は、すでに「検索」から「MAP・SNS」に移っている
「このあとどこ行こうかな…」という時、旅先で開くのはGoogle検索ではなく、MAPアプリやSNS。
観光地周辺にいる「まだ見ぬお客さん」に、どう気づいてもらうか?
そういった発想が必要な時代になっています。
4. 情報の主役は、地域外の人たち
観光地について発信しているのは、私たちではなく、訪れた人たちです。
発信の量も、拡散の力も、信頼性も、地域側より圧倒的に強い。
だからこそ、観光地としての「情報の設計」が必要になります。
5. 検索ですら、“AIに聞く”時代へ
今後は、ChatGPT や Google AI Overviews のように、「聞いたらまとめて教えてくれるAI」が旅行の情報源になる場面も増えていきます。
その時、地域の魅力が「AIに選ばれる情報」として整理されているかどうか。これも、これからの観光情報戦略において見過ごせない視点です(参考:Local 3.0)。
「観光地域」として発信する視点、足りてますか?
地域の中には、宿、飲食店、観光施設、特産品、イベント、風景…たくさんの魅力が詰まっています。
でも、それぞれがバラバラに発信していて、地域としてのストーリーが見えづらくなっている。
私たちは、こんな現場の声をよく耳にします。
- 「個々ではSNSやってるけど、まとまりがない」
- 「地域として発信を統一したいけど、何から手をつけていいかわからない」
- 「外注はしたけど、地元の感覚とズレていて…」
実際、地域内で話を聞くと、お互いの発信すら把握していないことも珍しくありません。
観光客にとっては、「地域全体の魅力」がひとつの印象になります。だからこそ、地域をひとつの観光地としてどう見せていくか。その視点が、これからの情報発信の大きな鍵になります。
「地域が編集者になる」という考え方
私たちが目指しているのは、それぞれの施設やお店がバラバラに頑張るのではなく、地域全体が、ひとつの「編集部」になって動く姿 です。
- この写真、どんな文脈で見せたら行きたくなるだろう
- この投稿、次につながる導線になっているだろうか
- 今のお客様の検索行動、SNS行動に合っているだろうか
こうした「情報の編集」ができるかどうかで、地域の魅力が「点」から「面」へと広がっていきます。
観光協会やDMO、自治体の観光担当者は、この「編集部」の中核として、方向性を決める存在です。それは、情報発信の「作業」ではなく、地域全体を「伝わる形」に整えていく「戦略」です。
小さな地域こそ、“伝え方”で差がつく
大手企業のような広告予算もなければ、観光資源も多くない、という地域もあるかもしれません。
でも、ネットの世界では「規模の小ささ」は不利ではなく、むしろ、「人の顔が見える距離感」や「地域の温度」が伝わりやすいという、大きな強みになります。
- 口コミ投稿を地元で共有し、観光協会とお店が連携して改善と情報拡散につなげる
- 写真映えする風景の発信を「観光地全体の導線設計」として組み立てる
- SNSだけでなく、Googleマップや口コミサイトまで「面」として設計する
このように、地域全体での設計と実践によって、小さな観光地でも大きな成果につながり始めます。
なぜ “東京に丸投げ” ではダメなのか
観光の情報発信は、ただ来訪者を集めるための「宣伝」ではありません。それは、地域がどんな姿でありたいか、どんな誇りを持っているかを外に語りかける「地域づくり」そのもの です。だからこそ、本来そこには、「この地に暮らし続ける人間」としての視点と覚悟が欠かせません。
けれども時に、「時間も人も足りないから、東京の会社に丸ごとお願いしてしまおう」という判断がされがちです。もちろん、それが悪いことだとは思いません。
けれど観光という分野においては、それでは担いきれないものがある と、私たちは感じています。
東京の会社には、その地域に住み続ける責任も、個人的な愛着もありません。契約が終われば、その地を離れることができる。一方で、地域に暮らす私たちは、発信の結果とともに、これからもそこに生きていきます。この「逃げられない責任感」の違いは、実は情報の中身や届け方ににじみ出てしまうものです。
加えて、「外に任せて終わり」のやり方では、地域に積み重なるべきはずの「伝える力」がいつまでたっても蓄積されません。
私自身も、観光庁が認定する「観光地域づくりマネージャー」として、自らが暮らす地域のなかで、観光を通じた地域づくりの現場に日々向き合っています。観光が地域に与える影響や、その手ごたえ、難しさや希望を、肌で感じながら走り回っています。
だからこそ、観光の情報発信を「業務として請け負う」だけの立場では不十分であることが、痛いほどわかります。地域の中に立ち、同じ景色を見ながら、一緒に考え、汗をかくこと。それが、私たち be-Chu の役割だと考えています。
私たちができること
私たちbe-Chuは、長野県を拠点に、地域の情報発信を「自分たちで考え、育てていける」形に整えるお手伝いをしています。
たとえば、こんなことができます。
- 地域全体の発信課題の「棚卸し」と構造化
- SNS、Googleマップ、口コミ、動画…各チャネルの役割整理と連動設計
- 発信に関わる人材の「共通認識づくり」(勉強会・ワークショップ)
- 制作物の外注をする際の発注側支援(RFP整理や目的設計)
- DMOや観光協会と連携した、持続可能な情報戦略の立案
“選ばれる観光地” から、“語られる観光地” へ
これからの観光地は、パンフレットやSNS投稿だけでは選ばれません。
お客さま自身が発信し、それを見た誰かが次に来る——「語られる地域」こそが、選ばれる地域になります。
「ただ来てもらう」だけでなく、「来たくなる」「来て良かったと言いたくなる」場所にするためには、「伝える力」が地域の中に根づいていく必要があります。
お気軽にご相談ください
観光協会やDMO、自治体の皆さまが「なんとなく違和感がある」「でもどうしたらいいかわからない」と感じている時こそ、動き出すチャンスです。
小さな一歩でも構いません。
be-Chuは、あなたと同じ目線で寄り添いながら、地域の「伝える力」を一緒に育てていきます。
「観光地域づくり」と 日本版DMO
ビーチュー代表の雨宮は、観光庁認定の「観光地域づくりマネージャー」として、地元の「八ヶ岳観光圏」で活動をしております。
また、観光庁が推進している「日本版DMO」の登録団体の一員としても活動をしております。
私の「観光地域づくり」「日本版DMO」の取り組みについては、下記、専用ブログで(時々)紹介しております。
「進め!観光地域づくりマネージャー in 八ヶ岳(地域の誇り / マーケットの視線)」
あわせてご覧いただけましたらと思います。
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