時代の変化とインターネットメディアの進化
インターネットの世界では、メディアやサービスの形態が絶えず変化しています。これらの変化は、時代と共に進行し、それに伴い業界の勢力図も新たに描かれます。過去に主流だったプラットフォームやサービスが新しい競争者にその地位を譲る例がたくさんあり、この変化は業界内での力関係を根本からリセットしてしまいます。
特にポイントになるのは、新しいメディアへの移行が、必ずしも旧来のメディアの強豪たちが再び支配するわけではないという事実です。新しい舞台では、すべてのプレイヤーがゼロからスタートし、新たな規則と機会のもとで競争することになります。
例えば、オンラインオークション市場では、かつてヤフオクが支配的でしたが、今日ではメルカリが新たな主流となっています。これは、PCを使ったオークション(CtoCの取引)から、スマホを使ったCtoCの取引に切り替わったことにより勢力図が変わりました。
ポイントプログラムにおいても、物理的なTポイントカードから、スマホキャリアが提供するデジタルポイント制度への移行が見られます。Tポイントが登場した当時、各店舗から発行される紙のポイントカードによってお財布がパンパンになってしまっている状況を、プラスチックのカード1枚ですべてがまかなえるという大きな変化があり、また Tポイント側は消費者の購買行動を一気にデータ化できるということで注目されましたが、スマートフォンの出現により、Tポイントではなく携帯回線事業者や流通業が提供するポイント制度に一気に切り替わってしまいました。
また、インターネットの世界でも、すべてが検索から始める時代ではGoogleがとても力を持っていましたが、そこに SNS という新しいメディア形態が登場しSNSの世界へと主導権が移ることでGoogleからFacebookへ、さらに SNS内における新しいメディア形態の登場により、FacebookからInstagramへとプラットフォームの中心が変わってきました。(X(旧Twitter)や LINE のことは今回は脇に置いておきます)
これらの例から分かるように、インターネット上でのメディアやサービスの主流は、技術の進化、消費者の好みの変化、そして新たなビジネスモデルの出現によって絶えず変わり続けています。
そして特に知っていただきたいのは、時代によって主流となるメディアが移り変わるということ、そして、新しいメディアへの移行が必ずしも旧来のメディアの強豪たちが再び支配するわけではないということです。メディアが変わると、勢力図がリセットされるのです。各企業やブランドにとって、このような変化に柔軟に対応し、新しいトレンドを取り入れることは、生き残りをかけた戦いでもあります。この連続するメディアの切り替わりは、中小企業の私たちに新たな機会を提供すると同時に、常に変化に適応することの重要性を思い起こさせます。
SNSの進化をビジネスチャンスに変える
今、私たちが目の当たりにしている変化は、数年前から始まっている進化の延長線上にあります。
かつてSNSといえばFacebookが中心であり、友人や知人とのコミュニケーションの場として利用されていました。しかし、時間が経つにつれ、YouTubeによる動画の配信が流行し、いわゆるYouTuberが登場しました。さらに、Instagramが写真を中心としたコミュニケーションの世界を創出し、人々は美しい瞬間を捉え「インスタ映え」する写真を競い合うようになりました。
そして、TikTokの登場は、これらの変化にさらに加速度をつけました。TikTokによって、短い動画を通じたコミュニケーションが一般化し、現在では「数分以内の縦動画」が新たな主流となりつつあります。Instagramでも、かつてのように写真が主役であった時代は終わり、TikTokではダンス動画だけでなく、様々な短編動画が人気を博しています。YouTubeもまた、長尺動画だけでなく、短いフォーマットの動画に注目が集まっています。
このようにSNSというメディアの中でも、変化は非常に速く進んでおり、私たちはその変化の大波の中にいます。
インスタグラムは、インスタ映えをする写真をアップする場ではなくなっているし、Tiktok はダンス動画がアップする場ではなくなっています。Youtubeも長い動画をアップする場ではなくなっています。(もちろん、インスタ映えする写真やダンス動画・長い動画もアップされていますが軸足はそこにはありません)
つまり、ひと口に「SNSを活用する」と言っても、それは Facebookや X(旧Twitter)を利用することでも、インスタグラムを始めたり、Youtubeや Tikitok を始めたりすることではなく、このSNSと言われるメディアの中にも、ものすごいスピードで変化する流れがあり、今まさに、その大きな切り替わりの中にいるのです。
今は、一つのプラットフォームに留まるのではなく、流れに乗って多様なメディアを駆使する柔軟性が求められています。
結局のところ、SNSを活用するとは、ただ特定のプラットフォームを使うことではなく、常に変化するメディアの流れを理解し、それに適応することを意味します。私たちは、その大きな切り替わりの中で新たなコミュニケーションの形を模索し続けなくてはいけなくなっています。
「数分以内の縦動画」を活用したマーケティング戦略
ひとことで言ってしまえば、私たちは現在「数分以内の縦動画」の世界に生きています。
多くの人がこの変化を認識しているものの、実際にビジネスや店舗運営でこの新しいメディアを積極的に取り入れているところはまだ多くありません。これは、新しいメディア形式が主流になるたびに、業界の勢力図がリセットされる大きなチャンスを意味しています。
そんなの知ってる…と言う方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、お店として会社としてしっかりと活用しているところはまだまだ少ないというのが現状です。
先にも言ったように、利用されるメディアが切り替わる時、それまでの勢力図は一旦リセットされます。Youtuber の世界でトップだった人が、今の短編縦動画の世界でもトップなのではありません。実際、短編縦動画で人気を博している人のチャンネル登録者数の方が、Youtuber の世界でトップの人のチャンネル登録者数を上回ってしまっています。これは、かっこよく言えば「短編縦動画が持つ独自の魅力と影響力が従来の長尺動画とは異なる視聴者層を引き寄せている」ということですし、簡単に言えば、見ている人の「場」が変わったということひと言で言い表せます。
今からでも短編縦動画の活用を始めることは全く遅くはありません。既に同業他社が取り組んでいるかもしれませんが、あなたのビジネスが提供する独自の価値やサービスの質は、他者とは異なります。それぞれのビジネスが持つ個性や強みを活かして、短編縦動画を用いた新しい情報発信の方法を見つけ出せば、まったく新しい顧客層にリーチすることが可能になります。自信を持って、この新しいメディアをビジネス戦略に取り入れてみてください。
もう一つ、こんなこともあります。
私の知り合いは、Youtuber というものが世の中で話題になる頃からずっと動画を作り続けてきました。でも今はほとんど作っていません。それは疲れてしまったから…。もしそのまま作っていたら今はどうなっていたのか、どんな新しい事業展開になっていたのかはわかりません。もちろん撤退したことが正解だったかもしれませんが、私がお伝えしたいのは、先行して始めているところが必ずしもずっと続けているわけではない…という事実です。
もう少し詳しく言えば、「先行者メリット」という言葉もあるように早く始めることが有利になるとこは確かです。ですが、参入が早すぎて、その影響力が出る前に(=多くの人がそこでコミュニーションを取り始める前に)やめてしまうということも起きます。企業による新サービスのリリースも、そういうことがあります。
今からでも、全然遅くはありません。重要なのは、自分のペースでコンテンツを制作し、ビジネスにとって最も効果的な方法を見つけることです。
短編縦動画は現代のメディア環境において無視できない存在になっています。この新しい形式をビジネスに取り入れることで、新しい顧客層にアプローチし、ブランドの認知度を高めるチャンスが広がっています。始めるのに遅すぎることは決してありませんので、今がそのチャンスです。
今回は、ネット活用で今起きていることとして「短編縦動画」にフォーカスしましたか、実はもう一つの大きな出来事があります。今回は触れませんでしたが、それは「AIの活用」です。2022年秋~2023年は、ChatGPT というキーワードを中心に AI、AI ということが連日のようにニュースになっていましたが、ここのところニュースで耳にしなくなったなぁ…と思っているかと思います。それは単にニュースメディアが取り上げていないだけで、あの話題の時以上にものすごい勢いでこちらはこちらで進化・活用が進んでいます。
こちらはまた記事で取り上げたいと思います。
次回をお楽しみに!
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