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Be-Chu' s Perspective

 

ホームページでの写真の役割と一般的な認識のギャップ

 

ホームページに写真を掲載することは、今日では非常に一般的な慣習です。しかし、驚くべきことに、その写真の扱い方の重要性に気付いている人は意外にも少ないのです。このことは、ホームページの見た目だけでなく、その効果や訪問者の印象に大きな影響を与えるため、特に注目に値します。

また、一般的な誤解として、ホームページ用の写真はプロのカメラマンに撮影してもらう必要があると思われがちですが必ずしもそうではありません。重要なのは、写真がホームページの目的と一致しているか、そして訪問者に適切なメッセージを伝えるかです。

ホームページでの写真の利用は、大きく3つの役割に分けることができます。

まず第一に、サイトの雰囲気を作り出し、それを伝えるための写真です。これは、サイトのブランドやテーマに合わせた雰囲気を設定し、訪問者に対して即座にその感覚を伝達する役割を果たします。

第二に、ページで説明している内容をより詳しく、具体的に理解してもらうための写真です。これは、テキストだけでは伝えきれない細かいニュアンスや、製品の特徴、サービスのプロセスなどを視覚的に示すことで、訪問者の理解を深めるのに役立ちます。

最後に第三の役割として、文字が多いページでは、写真が視覚的な休憩を提供し、読み物の多さを和らげることで、訪問者の興味を持続させることができます。
(私のブログ記事ではこの3番目の目的で写真が使われています)

これらの役割を理解し、適切な写真を選択することは、ホームページの全体的な成功に不可欠です。適切に選ばれた写真は、サイトで伝えるべきことをしっかりと伝える役目を担ってくれます。しかし、多くの場合、ホームページ制作者や管理者は、写真が持つこれらの重要な役割に十分な注意を払っていません。これは、ホームページの効果を最大化するための大きな機会を逃していることを意味します。したがって、ホームページに写真を掲載する際には、それがどのようにサイトの目的やメッセージに貢献するかを常に考慮することが重要です。

今回は、3つの写真の利用のうち、2番目の利用方法にそって話を進めていきたいと思います。

 

 

写真の選択と受け手の解釈のズレ

 

写真の選択は、ホームページの制作過程において特に注意が必要なステップです。しばしば、制作者が意図するメッセージと、それを受け取る視聴者の解釈との間に大きな隔たりが生じます。これは、背景知識の差異や、個人の経験に基づく解釈の違いによるものです。たとえば、ある特定の会場の写真が、その素晴らしさを伝えるために選ばれたとします。制作側にとっては、その写真は既知の魅力を呼び起こすものですが、その会場を知らない訪問者にとっては、その魅力を完全には伝えきれないかもしれません。これは、特に新規の訪問者にとって、写真から受ける印象が会場の実際の魅力とは異なる場合があることを意味します。

このようなギャップが生じる主な理由は、写真が持つ情報の限界にあります。写真は一瞬のイメージを捉えるものであり、その背後にあるストーリーやコンテクストを全て伝えることはできません。そのため、制作者は写真を選ぶ際に、ただ美しいだけでなく、その写真が伝えるべきメッセージや情報が視聴者にとって明確になるよう配慮する必要があります。さらに、制作者の個人的な経験や情緒的なつながりが写真の選択に影響を与えることがありますが、これらは必ずしも視聴者に共有されるわけではありません。

写真選択の際に考慮すべき別の重要な要素は、視聴者の多様性です。ホームページの訪問者はさまざまな文化的背景や価値観を持っています。そのため、特定のイメージがすべての視聴者に同じように受け入れられるとは限らないのです。この文化的な多様性を理解し、尊重することは、写真が持つ潜在的なメッセージを適切に管理する上で不可欠です。

加えて、写真の解釈には個人の先入観や期待も大きく影響します。例えば、豪華な会場の写真を見て、「高級感」や「独特の雰囲気」を期待する訪問者もいれば、同じ写真から「非実用的」や「過剰な装飾」といった印象を持つ訪問者もいます。このように、同じ写真が異なる解釈を生むことは、写真を選ぶ際に視聴者の視点を考慮する重要性を示しています。

最終的に、ホームページにおける写真の選択とその解釈のズレを最小限に抑えるためには、制作者が視聴者の多様性と解釈の可能性を認識し、それに応じて選択を行うことが求められます。写真はホームページのメッセージを強化し、訪問者との強いつながりを築くための強力なツールですが、その力を最大限に活用するためには、慎重な選択と配慮が必要です。

 

落とし穴に注意: 写真とキャプションのポイントをおさえて、伝えたいことを伝えるホームページに
壁に貼られたたくさんの写真。この部屋の住民にはそれぞれの写真の背景にある出来事や思い出がわかるのでこのように写真を壁に貼ることは幸せやポジティブな感情を生み出してくれます。しかし、これらの写真の意味や背景を知らない我々にとっては、単に写真がたくさん貼られている壁以上の意味を汲み取ることができません。ましてその住民の写真に込めている意図までは…。
これに似たことがホームページでも起きているのです。

 

 

 

効果的なキャプションの役割

 

ホームページにおける写真の利用において、写真自体の選択と同じくらい重要なのが、その写真に加えるキャプションの役割です。キャプションは、単なる説明文以上の機能を果たし、写真に深みと文脈を加えることで、訪問者の理解を助けます。例えば、会場の写真に「この豪華な空間は、あなたの特別な日をさらに記憶に残るものにします」というキャプションを付けることで、その写真が単なる空間の画像ではなく、感情的な価値や体験を伝えるものに変わります。キャプションは、写真が伝えようとしている物語の一部となり、視聴者により具体的なメッセージを伝達します。

しかし、多くのホームページ制作者は、キャプションの重要性を見落としがちです。キャプションがあることで、写真から受ける印象が大きく変わることを理解していないため、画像だけが語ることに依存してしまいます。これにより、写真の持つポテンシャルが十分に活かされず、訪問者に伝わるべきメッセージが曖昧になることがあります。良いキャプションは、視聴者が写真を通じて受ける情報を補強し、誤解を避けるための明確なガイドとなります。

キャプションを効果的に使用するためには、まず、写真と直接関連する内容であることが重要です。キャプションは、写真が伝えるストーリーや感情を補足し、その意味をより明確にします。また、キャプションは、訪問者の注意を引きつけ、さらに詳細を読むことへの関心を高めるべきです。このためには、簡潔でインパクトのある言葉を選び、写真の持つメッセージを強化することが求められます。さらに、キャプションは訪問者に新しい視点を提供することができ、写真から得られる情報を拡張します。例えば、特定の製品の写真に「この革新的なデザインは、日常生活に変化をもたらします」というキャプションを加えることで、製品の機能性だけでなく、その生活への影響も強調できます。

最終的に、キャプションは、ホームページのコンテンツとの一貫性を保ちながら、写真をより魅力的で意味のあるものに変える力を持っています。効果的なキャプションの使用は、訪問者の理解を高め、ホームページの目的を達成するための重要な要素です。キャプションを通じて、訪問者に対してより深い理解や共感を促すことができれば、ホームページの効果は大きく向上します。ホームページ制作者は、写真とキャプションの相乗効果を最大化するために、両者がどのように連携して訪問者の注意を引き、メッセージを伝えるかを常に考えるべきです。

 

落とし穴に注意: 写真とキャプションのポイントをおさえて、伝えたいことを伝えるホームページに

会社のホームページで 時々見かける製品写真。「こんなん風な感じなのものが作れるんですよ~」というレベルでは伝わるが、この形状がポイントなのか、素材がポイントなのか、大きさ(微小さ)がポイントなのか、ロット数がポイントなのか、少なくともそのホームページを見ているお客さん(になるかもしれない人)に伝えわるものにする必要があります。
この場合、例えば「拡大しているのでそのようには見えませんが、並んでいる各部品の横幅は0.01ミリ。当社ではこのような超微細な精密加工が可能です」と表現すると、写真から得られる情報がまったく異なってくるのが理解いただけると思います。

 

 

ホームページ制作における統合的視点の不足

 

残念ながら、ホームページを作る側もこのことを認識していないことが多いです。デザイナーは、写真をどう配置すればページ全体がきれいに見えるかに注力しますが、その写真(の内容)が見る側にどう認識されるかまでは考えません。エンジニアは、写真がある条件下でしっかりと表示されることに注力しますが、どのような写真がそこに来るべきかは管轄外となってしまいます。通常、これらの要素を統合し、全体としての調和を考えるのはディレクターの役割ですが、残念ながら、掲載する写真が制作依頼者から届いているか、それがデザイナーに渡っているかを管理するだけのことが多いのです。

この問題は、写真だけに限らず、ホームページの構成やメニュー、タイトル、説明のテキストなど、あらゆる構成要素にも当てはまります。各要素がどのように統合され、訪問者に一貫したメッセージを伝えるかは、ホームページの成功において非常に重要です。しかし、これら全ての要素を見る側の目線で考慮し、ページが担うべき説明や情報提供において、その写真に求められる意図や情報、そしてそれに必要な写真の中身や、その写真に加えるべきキャプションを考える人がいないままにホームページが作られてしまうことが多々あります。

私はこれらの細かい点まで考えています。
そのため、私が構築したサイトは「なんか、とてもわかりやすい」という感想をいただくことが多いのです。それは今回の写真の話のように、各所に微細な「魔法」をかけてあるからにほかなりません♪ ホームページの各構成要素がどのように連携し、全体としてどのような印象や情報を訪問者に伝えるかを深く理解することが、効果的なホームページ制作の鍵となります。

したがって、皆さんにも、写真やキャプションだけでなく、ホームページの全体構成についても、今回お話ししたような視点で考えていただきたいと思います。ホームページは、その各部分が単独で機能するのではなく、互いに補完し合い、訪問者に対して一貫した体験を提供することが目標です。

 次回をお楽しみに!

 


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