信じられないかもしれませんが、地方は今、インターネットが始まって以来の、 " 最大のチャンス " を迎えています。この話をすると、皆さん「えっ....!?」という顔をされるのですが、本当にそうなのです。そして、これを知っているかどうかで、ネットのビジネス活用に大きな違いが生まれます。
今、地方が直面している課題
地方(の多くの方々)は今、ネットの活用において、次の2つの課題に直面しています。
- インターネットを利用してもあまり効果が出ない、というネガティブな意識。
- Twitter や Facebookなどなど、次々に変わるトレンドについていけない…という焦りや疲弊感。
地方がインターネットのメリットを
享受できていない2つの理由
前者は、2000年前後のインターネットバブル期を中心に、会社のホームページを作ったのに大した結果が得られなかった…という過去の体験が尾を引いている事業者の方も多いのではないとか思います。特に当時は、ホームページを持つこと自体が目的で、それをどうビジネスに活かすのかという発想がありまありませんでしたので、「わが社も!」とホームページを立ち上げた地方の企業では特にそのような思いが強いかもしれません。
後者は、本当に多くの方からそのような声を伺います。日々、新しいサービスがたくさん出てきますし、それに関係する情報はこの何十倍、何百倍も出てきます。せっかくネットを積極的に活用したいと思っているのに、あまりに多い情報に何から手をつけていいのか、何を信じていいのかすらわからなくなってしまっている方も大勢います。
総じて、地方は今、「インターネットを活用することがビジネスにとっては必要だろうし、ゆくゆくは力を入れないといけないだろう…」という思いは持っていながら、何をどうしたらいいのか見当がつかないがために、なかなか重い腰が上がらない、という状態だと思います。
私が多くのお客様とお話しさせていただいても、やはりそのような方が圧倒的です。
※ちなみに、このように「自分のビジネスとネット活用の関係がわかっていない」状態でホームページ制作会社に制作を依頼しても、どこがポイントなのかをわからずに作ってしまうことになりますので、残念ながら芳しい結果は出ません。
インターネットが始まって以来の" 最大のチャンス "
そんな、地方のやや消極的な認識にもかかわらず、 地方は今、インターネットが始まって以来の、" 最大のチャンス " を迎えています。
理由はいくつかありますが、わかりやすいポイントをあげると下記の3つになります。
2. かつて高価だったツールやサービスが、安価に利用できる。
3. コミュケーションの変化が、地方・中小・個人にとって有利に。
1.いきなり全国を商圏とすることができる
インターネットが普及する前、地方が自社商品を全国の人に向けて販売するのはとても大変でした。簡単に言うと、「資金が潤沢にあるか」それだけで決まってしまいました。
しかしインターネットの普及で、ネット上に情報を掲載することによって、全国の人に向けて(世界の人に向けて)商品やサービスを販売するという全く新しい販売ルートが開拓されました。これは、一般消費者向け商品でも、企業向け商品でも全く同じです。
また、以前は卸し業者や販売業者を通してしか一般消費者に販売するルートを持てなかった多くの企業が、直接一般消費者に向けて販売することもできます。
「そんなの10年も前からそうじゃないの!」とおっしゃられる方もいるかと思います。まったくその通りです。
しかし、地方でそのことを理解されている方が驚く程少ないというのが現状です。
理由は簡単です。
ホームページやインターネットの活用を「従来の広告・宣伝」だと認識してしまっているためです。
そうではありません。
地方がネットを活用するということは、これまでとは全く異なる販売ルートを作る、全く新しいお客様を作る、全く新しい商品を作るということに他なりません。つまり、広告・宣伝の前段階、「事業戦略」に関わってくるのです。
ですから、既存商圏での広告宣伝や、会社パンフレットの延長としてホームページやネットの活用を捉えてしまうことは、実は大変もったいないことです。皆さんの会社の商品は、全国規模で見れば、もっともっと需要がある可能性だってあるのです。
そしてもう一つ。
ビジネスの現場では、「これを解決してくれる会社はないだろうか…?」「こんな製品を持っている会社はないだろうか…?」と、日本中・世界中の企業が日々探し求めています。せっかく皆さんの会社がその解決策を持っているのに、インターネット上にそれが掲載されていないとすれば、それは世界中の企業にとって「存在しない」ということを意味します。
皆さんの会社はいかがでしょう。
2.かつて高価だったツールやサービスが、安価に利用できる。
CMS(=サイトの更新や管理を効率化するプログラム)と言えば、以前はパッケージだけで数百~1千万円するものばかりでしたが、今ではサーバ代込みで月額数千円で利用できるものや、オープンソースのものなどなど、気軽に手を出せるツールがいくつも出てきています。
CRMアプリケーション(=顧客情報と対応状況の管理ツール)にしても、以前は高価なパッケージを購入したり、数千万円かけて独自に構築するのが主流でしたが、こちらも月額数千円で利用できるオンラインサービスが多数提供されるようになっています。
さらに、アマゾンドットコムで利用されている「この商品を購入した人はこんな商品も購入しています」という自動提案プログラム(レコメンドエンジン)にしても、以前は多額の費用をかけて独自に開発するしかありませんでしたが、今では、月額1万円ぐらいから利用できるサービスがたくさん提供されています。
ホームページがどのように利用されているかを知るために必須のアクセス解析ツールも、かつては数十万円をかけてパッケージソフトを購入しなければいけなかったものが、ご存じのように、今やGoogleから無料で利用できるツールが提供されています。
さらに、Facebook などのソーシャルメディアに至っては無料!で利用することができます。
どれも、これまでだったら多額の予算を持つ大企業にしか導入できなかったものです。潤沢な資金がなくとも、大企業が導入しているのと同等のツールを田舎の個人でも利用できるのです。
これは、中小企業や個人が、大企業と同じ武器を手にしたことに他なりません。
かつてのようなツールを持てるor持てないという資本規模の勝負ではなく、ツールを知っているか、ツールを使いこなせるかというノウハウと知識・腕で勝負できるということは、地方にとってものすごい大きなチャンスだということはご理解いただけると思います。
3.コミュニケーシヨンの変化と、個人の発信力の向上
さらに地方にとって多いな追い風が吹いています。
かつて、多くの情報はマスメディアを通じて流れてきましたが、テレビの視聴率が下がったり、新聞の発行部数が減少してきたりしているように、これまでとは異なる情報伝達の流れが起き始めています。
中でもポイントは、企業よりも消費者の声の方が強くなってきていること、そして個人個人が自分自身のメディアを保有するようになってきているということです。
今、企業側が「この商品いいよ!」と大声でテレビや広告で宣伝しても、口コミサイトやソーシャルメディアなどで「あの製品はやめておいた方がいいよ!」という消費者の生の声が大きくなれば事態は大きく変わってしまいます。かつては企業側の説明を信じて購入していた消費者も、「本当のところどうなんだろう?」と、すでに購入した人のレビューを見てから検討する形に変わってきています。大企業が言っているから信じるわけではありません。個人の意見でもそれが正しいと思えば大企業の言っていることよりもそっちを信じるという受信者側の変化がここにあります。
また、TwitterやFacebookをはじめとするソーシャルメディアが象徴的ですが、個人個人の意見や考えを簡単にネット上に流すことができるようになりました。実際にどれだけの人に見てもらえるのかは内容や手法によって大きく異なりますが、以前は、個人の意見や考えを全国に流通させるのに新聞や雑誌の投稿欄に投稿していたことを考えると、非常に画期的な変化だということはご理解いただけるかと思います。
この個人の発信力の向上は、そのまま地方のメリットです。Twitterでの発言を思い浮かべていただければわかりますが、ネットに流通する発言や意見は、どこに住んでいるのかや会社規模に関わらず、まったく等価に扱われます。潤沢な資金があるから流通されるわけでも、東京からの発言だから流通しやすいわけでもありません。何の話題をどう発言するのかという、すべては個人の力量の問題です。
このことは、地方の企業にとっても大変意味があることです。もしかしたら、皆さんの会社は、ある分野における全国唯一の専門会社になれる可能性すらあるのですから。
チャンスを逃すな
これら3つは、インターネット関連の仕事をしている人にとっては当たり前の感覚なのですが、残念ながら地方で事業をされている方や地方自治体の方はあまりご存じではありません。
あまり理解されていないということは、逆に言えば、他より先に理解して動き出したところが勝つということです。
とりあえずホームページ制作会社に制作を依頼するということではなく、今目の前にあるこのチャンスを、自社の事業の中でどのように活かせるのかをぜひ検討いただきたと思います。
私は会う人会う人に、「実は今、地方にとってチャンスなんですよ!」とお伝えしています。だって、莫大な金額をかけなくてもツールの組み合わせで大企業と同等のことができ、個人からの情報発できる環境が整い、しかも、情報を受ける側も大企業の言うことと個人の言うことを対等に受け取ってくれるというわけですから。これをチャンスと言わずに何といいましょう…。
インターネットが世の中に初めて登場した時もチャンスでしたが、今もまさに、地方にとって大きなチャンスなのです。
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