地方自治体のサイトにしても、企業サイトにしても、同じですが、「今」を発信し続けられる力を組織内に持つことがとても大切だと常々感じます。これには、2つの側面があります。
●サイトは、構築されてからがスタート。
●情報は流れていく。
サイトは、納品されれば終わりの印刷物とは全く異なり、構築されてからがスタート。
会社案内でも、サービスパンフレットでも、観光案内でも、制作会社に作ってもらえばプロジェクトは終了です。制作が終了すれば、そのパンフレットの内容自体を変更することはなく、それをどう配るのかということに軸足が移ります。
ご存じのように、サイトの場合は構築やリニューアルが終わっても「めでたし、めでたし」にはなりません。更新作業や、新しい情報の追加作業が必要になります。しかし、サイト構築やリニューアル作業にパワーを使いすぎたためか、新しくなったことに満足してしまうのか、その後、サイトへの意識が薄れて次第に死んだサイトになっていっているのを頻繁に見かけます。
特に、2000年前後のインターネットという新しい波に乗るために構築された地方企業のサイトなどは、そのままになってしまっているところが本当にたくさんあります。このような場合、
サイトが死んでいる
↓
サイトを見てもらえない or 見た方に何も伝わらない
↓
販売や受注に結び付かない
↓
サイトは効果ないよ…
↓
サイトに手を加えない
↓
ますますサイトが死んでしまう
という悪循環に陥ってしまいます。2000年前後にホームページを作ってそのままのところは、完全にその悪循環の中です。しかも、それがどんなにもったいないことなのかを教えてくれる方もおらず、どうしたらいいのかをアドバイスしてくれる方もおらず、「ホームページを作ってもねぇ…」という言葉で終わりにしてしまっている会社がどんなに多いことか!
ご注意いただきたいのは、だからと言って「更新するためのプログラムやソフトの使い方を覚えろ」と言いたいのではありません。現在、自治体サイトの多くはCMS化されていますし、一般企業や個人事業主が利用できる安価なCMS(ホームページ更新システム)も数多く提供されていますので、実際の更新作業自体はほとんどの方ができます。
ポイントは、
●なぜ更新しないといけないのか
●更新することのメリットと効果は何か
●どんな情報を誰に向けて掲載してあげるのか
●どうやったらその方に届けられるのか
●そのためにはどんな表現がいいのか
を理解することです。
これを理解してサイトを運営するのと、掲載しろと言われたから情報を掲載した、というのでは雲泥の差が生まれます。
情報は流れていく。
情報にはストック情報と、フロー情報があります。
前者は、例えば「住所移転の手続き方法」や「サービスの紹介」など、ホームページを見た方が調べたい時に「わかりやすく、時に魅力的に」伝える必要がある情報です。後者は、twitter、SNS、ブログなどで掲載される、その時には価値があってもすぐに価値が低下し消え去っていく情報です。例えば、「今日は雪がこんなに降りました。」というブログ記事。自治体サイトで掲載すれば、その地の「今」を伝えるとても価値ある情報です。しかし、数日後にはほとんど価値がなくなってしまいます。
今、我々が利用しているインターネットはこの2つの情報によって構成されています。皆さんも日々、色々なサイトをご覧になるかと思いますが、必ずこの2つの情報を見ています。ストック情報によって気になることを調べ、フロー情報によって「今」を知り、安心します。
一方で、皆さんのホームページで、「今」が掲載されているでしょうか。掲載されている情報は、すでに見る方にとって全く価値のないものになってしまっていないでしょうか?
「今」を発信しつづけられる力を持つ。
決して、毎日ブログを更新しろ、とか、twitter で情報を提供しろ、と言っているのではありません。(もちろん、この2つは効果があります。)そうではなく私がお話ししたいのは、今の皆さんの最新情報をしっかりと出してあげよう! そのための体制(人材や予算)を整えよう!ということです。「今」を発信しつづけられる力を持つということは、ホームページを通じてお客さんとちゃんと向き合おう!ということに他なりません。
まずは、しっかりとした考え方と方針をもつこと、それが大切だと思います。
更新作業の技術やプログラムは、その次の話でしかありません。
次回をお楽しみに♪
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