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ネットの活用で、地方が変わる

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          ネットの活用で、地方が変わる!

           ~地方はネットをこう使え~

                          2012/08/10
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こんにちは。

ビーチューの雨宮です。


さて、今回のメールマガジンも、前回に引き続き特別編です。

他で掲載する原稿をメールマガジンをお読みいただいている読者の皆さまに
先行してお届けします。

今回は自治体サイトの話です。
長いので、お時間がある時にお読みください。(^_^)/


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…┓
┃■ 自治体サイトは、今、大きな曲り角。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…┛


先日、横浜市で「自治体サイトの課題と今後のあり方」という講演をさせてい
ただきました。

その話の中で、自治体サイトがインターネット黎明期からどのような流れで移
り変わってきて、それぞれどのような課題があったのかをご説明しました。
非常にざっくりまとめると、


1.システム管理者奮闘の時代
2.ユーザビリティ & アクセシビリティへの注力と、CMSの導入の時代

を経て、

3.ユニバーサルメニューの導入(2.流れの延長になります)
4.ソーシャルメディアの導入


という大きな流れです。

この流れの中で、具体的にどのような課題を抱えているのかはブログの方で紹
介していますので、そちらをご覧いただけましたらと思います。


これからの自治体のネット活用には、市民向け広報活動という範疇を超えて、
「うちは、ネットをこう活用していく!」というオリジナリティが求められま
す。細かい具体的な課題はともかく、一番大きい問題は、自治体サイトの今後
の姿が見えていない、ということです。「サイトをどのように活用するのか」
と言い換えることもできます。

これまではどの自治体も、窓口や電話や紙媒体で対応していた市民向け広報と
手続きをオンライン上で提供する、ということが主な目的でした。ですから、
「わかりやすい情報提供」のためにユーザビリティを、「管理しやすい仕組み」
のためにCMSの導入が行われてきたわけです。

しかし、これからの自治体のネット活用には、市民向け広報活動という範疇を
超えて、「うちは、ネットをこう活用していく!」というオリジナリティが求
められてきます。


例えば、市のサイトをFacebook にしたことで有名な武雄市も、このオリジナ
リティの道を選択しています。

ただしここで注意しないといけないことがあります。それは、多くの方は
「Facebookに全面移行した」ということに注目していますが、ポイントはそこ
ではないということです。

武雄市の最大のポイントは、「市民向け情報提供」から、「全国向けサービス
提供」に考え方を根本的にシフトしているということです。

ですから武雄市のネット活用のオリジナリティは、「Facebookを利用した」こ
とではなく、「地方の自治体が世界に向けてサービス提供をする」ということ
にこそあります。Facebookはあくまでも、そのためのインフラとして選ばれた
にすぎません(実際、武雄市長もそう話されています)。

このようなわけで武雄市は、Facebookを利用して、これまでの「広報」を超え
た情報提供をし、市外の多くの方とFacebook上で直接コミュニケーションをし、
さらに特産品を販売しているわけです。

この根本的変化を捉えずに、Facebook 移行だけをマネしてしまうと、CMSを導
入したけれどもうまく活用できていないという、かつての苦い経験が繰り返さ
れてしまうというわけです。


まとめますと…

自治体は今、サイトの利用(ネット活用)において大きな曲がり角に来ていま
す。

これまでの「市民向け情報提供」というステージを卒業して、「どのように
ネットを活用していくのか」を、それぞれの自治体が考えないといけないステー
ジに来ています。

ステージが変わる瞬間は新しいルールが生み出される瞬間でもありますから、
自治体間競争における大きなチャンスでもあります。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…┓
┃■ 自治体サイトとネット活用の可能性
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…┛


では、具体的にどのような可能性があるのでしょうか。

横浜市での講演の際には、都市部 / 地方 と、それぞれについての可能性を
簡単にご紹介しました。

 

都市部では、ネットを利用した住民サービスの充実化です。

自治体サイト上で広報活動をするという枠組みを超えて、ネットに接続できる
様々なデバイス(機器)を利用して自治体サービス自体を展開していくという
のが一つの流れです。現在は「調べたい人に自治体サイトに来ていただく」と
いうスタンスですが、これを、市民生活の現場の中に自治体サービスを侵入さ
せて、利便性を向上させる…とでもいいましょうか。

 

地方では、ネットを活用した、集客や知名度の向上です。

今現在、地方はネット活用の絶好のチャンスの中にいます。自治体もこれを利
用しない手はありません。

もともと地方は、非常に多くの資源をもっています。単に観光名所や特産品だ
けではありません。例えば、時間の捉え方や暮らし方のベースにある地方独特
の感覚すらも、「新しいライフスタイルを提案する」という意味において、非
常に魅力的な資源です。

これら地方それぞれが持つ多様な資源を、企業のように積極的にネット上で展
開していくことが可能です。武雄市はここに軸足を移して、手段としてFacebook
を選んだことは先にご説明しました。facebook の利用率上昇とともに、これま
で武雄市という存在すら知らなかった多くの人が市のことを知り興味を持つよ
うになりました。Facebookを利用するかどうかは別として、考え方として非常
に参考になるはずです。

特に、観光客誘致はネット活用との親和性が非常に高い領域ですが、多くの自
治体は「観光パンフレットのオンライン版」の域を出ていないのが実情で、こ
れは大変もったいないことです。県や大手旅行代理店、交通機関を巻き込んだ
一大キャンペーンという従来型の観光客誘致とは全く違う切り口の集客や知名
度向上が可能なのがネットの活用です。しかも、小さい規模の自治体にこそ勝
ち目があるというのもネット活用のメリットです。


自治体サイトとネット活用の可能性また、(都市部 / 地方の区別なく)「よ
り大きな視点」「戦略的な視点」でのネット活用も可能でしょう。

例えば、その自治体に住んでいる市民は全員個別のメールアドレスを取得でき、
それはgoogleのプラットフォーム(Gmail)から提供され、市民は google が
提供する独自のサービスが利用できるという戦略的なネット活用も考えられま
す。googleをプラットフォームとして、その上に様々なアプリケーションサー
ビス、例えば有益な情報・お得な情報のサービス提供、生活の質を向上させる
ようなサービスの提供などが乗るようになれば、市民生活の質の向上ができる
とともに、次世代の市民サービスのモデルケースとして注目を集めることにな
ります。さらに、そこに在住する市民だけでなく登録市民(例えば、その地の
出身者やその地が好きだという人など…)にもそのようなサービスを提供する
ことで、自治体は、全く新しい「自治体のマーケット」を生み出していく可能
性すらあるように思います。

また、ガバメント2.0 と呼ばれる仕組みへの構造変革も注目です。(ガバメン
ト2.0 についてはこちらをご覧ください。また、日本国内での取り組みについ
てはこちらがコンパクトにまとまっています。)自治体側が最初から最後まで
全部をやるのではなく、自治体は基盤となるデータを保有して API を公開する
ことで、調査やサービスは外部の民間に任せてしまおうという考え方です。先
ほどの例が、Googleというプラットフォーの上で自治体サービス・自治体事業
を展開するという構造だったのに対して、ガバメント2.0 という考え方は自治
体自身がプラットフォームになるという構造です。


これまで自治体は、事業を考案し、その広報・宣伝の場として自治体サイトや
ネットを活用してきました。しかし今後は、「自治体サイト」や「ホームペー
ジ」という枠組みを超えて、自治体活動の一環として「ネットをどのように活
用していくのか…」というより大きな戦略的な位置づけが必要になってくるで
しょう。自治体サイトやホームページは、あくまでも、全体の戦略の中で一要
素を担うにすぎないということです。


このように地方の自治体は、サイトやネットの活用において非常に大きな可能
性を持っています。その多くは全く未着手の領域ですし、地方が取り組むメリッ
トとチャンスがそこにあります。恐らく、それにいち早く取り組み始めたとこ
ろが、5年後10年後に大きな飛躍を遂げていることでしょう。


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                 それではまた次回をお楽しみに! (^_^)/
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     http://be-chu.com/
     
     〒399-0213
     長野県諏訪郡富士見町乙事5162
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【発行責任者】雨宮伊織 Amemiya Iori
    
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