本当は「Webマーケティング」というよりも、「ネットを活用した集客の仕組み作り」という表現の方が私の中ではしっくり来るのですが、ひとまずこのタイトルで…。
WEBマーケティングというと、「○○○で売上げを伸ばす」「○○○を利用して問い合わせアップ」のような情報が多くなるのですが、どうも腑に落ちない…。
どうしてなんだろう…と思っていたのですが、そっか、それは「手法・テクニック」のことが中心になっていて、「お客様との関係」「会社とマーケティングとの関係」という土台の部分に触れていないからなんだな…と以前から考えていました。
そこで、私なりに、「Webマーケティング」や「ネットを活用した集客の仕組み作り」について土台の部分もお伝えした方が多くの方の役に立つのでは…と思った次第です。
(私がコンサルティングをさせていただいている方々には、当然、このあたりは最初から全部ご説明しています)
4つの時間軸
前置きが長くなりましたが、Webマーケティング(ネットを活用した集客の仕組み作り)では、次の4つの時間軸があるんです。
【1】サイト上でお客様がどんな動きをするのか…という時間軸
【2】お客様から見て、興味を持ってから購入するまでの時間軸
【3】会社側から見て、お客さんと接点を持ってからご購入いただくまでの時間軸
【4】ビジネスを継続させることを考えた時、マーケティングが持つ時間的意義
一見すると難しい区別に見えるかもしれませんが、それぞれ解説していきましょう。
【1】サイト上でお客様がどんな動きをするのか…という時間軸
検索・オンライン広告・SNSなど、経由は色々ありますが、お客様(になるかもしれない人)が自社サイトや商品サイトに訪問した瞬間から始まるのがこの時間軸です。「直帰率」「滞在時間」「ページビュー」という言葉があるように、最初に見たページ(ランディングページと言いますね)だけを見てそのまま他に行ってしまう方もいれば、そこからサイト内のリンクをたどり、色々と情報を見てくれる方もいらっしゃいます。この動きと連動した時間軸で、時間軸の長さは、1秒~30分(長くて1時間)の間でしょうか。
会社側からすると、サイトの「色々な情報に」「興味を持って」触れてくれるというのが目指すところなわけですから、この時間軸では、時間が長い方がいいということになります。ですから、興味を持っていただけるような情報を数多く準備するのはもちろんのこと(コンテンツ設計)、興味を持って情報を見てもらったすぐ後に、次の情報に移るボタンを配置しておくなど(画面設計)、「大胆な企画」と「ユーザーの行動を察知する繊細さ」を兼ね備えた準備が必要になります。
またこれらのことは、今では「アクセス解析ツール」でしっかり見ることができます。
【2】お客様から見て、「興味を持ってから購入する」までの時間軸
Webマーケティングと購入を考える時、これが一番大切な時間軸になります。
お客様は興味を持ったからと言ってすぐに購入するわけではありませんし、興味を持った場所(会社)で購入するわけでもありません。例えば、住宅の新築では、興味をもってから実際に購入(ここにお願いする!と決める)までに半年や1年かかることもありますし、最終的にお願いする会社が別なところになってしまうことだってあります。
つまり、Webマーケティングの書籍などでは、広告→ランディングページ→お問い合わせ という図式が良く用いられますが、お客様の購入プロセスを考えるとそうそう単純な図式ななのではなく、お客様が興味を持ってから実際の購入にいたるまでを、「お客様の立場に立った流れ」で設計する必要があるわけです。
これを「コミュニケーションの設計」や「コミュニケーション・プランニング」って言ったりしますね。
また、これに近い形として、「購買行動モデル」という理論をご覧になったことがある方も多いのではないかと思います。ネット時代の購入モデルとして1995年に電通さんが提唱した「AISASの法則」というものがWebマーケティングでは紹介されることが多いですね。
※ AISAS
Attention(認知・注意) / Interest(興味・関心) / Search(検索) / Action(行動) / Shere(共有)
詳しくは↓をご覧ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/AIDMA
この時間軸を考えると、サイトを作ってしまえば終わりでもなく、広告を打って問い合わせをもらえば終わりではない、ことはお分かりいただけると思います。
私がお客様と一緒に戦略を組み立てていく時も、この時間軸を大切にしています。
実際、この時間軸は会社や商品によってまちまちですから、お客様の心理と行動がどう動いていくのか、それぞれのタイミングでどんな情報やコミュニケーションを提供してあげたらいいのか…ということを一緒になって考えていきます。
この時間軸で使われるツールはたくさんあります。
Facebookなどのサイト自体もそうかもしれませんし、メールマガジンの発行の仕組みもこれらに該当します。さらに、お客様の購入見込度合を個別に管理する仕組み、CRMであったり、今風では「マーケティング・オートメーションツール」なんていうのもこの時間軸に関わってきますね。
※ここでは省略していますが、実は、【2】は購入で終わりではありません。
購入していただいた後も、「当社のお客様」としての関係が続きます。
【3】会社側から見て、お客さんと接点を持ってからご購入いただくまでの時間軸
この3つ目の時間軸と、先ほどの2つ目の時間軸との違いがわかりますか?
実は、この3つ目の時間軸から、だんだんと経営者や役員の立場で見た時間軸に移っていくんです。d(^_^)
2つ目の時間軸はお客様個別の状況にフォーカスしていましたが、この時間軸は、お客様の総数にフォーカスしたものになります。
つまり、お客様の購入見込度合を個別に管理した結果、今月契約に至りそうなお客様がどの程度いるのか、半年後に契約に至りそうなお客様がどの程度いるのか、という「総数」「お客様の全体像」として把握するということです。
お客様は個人個人、個別の事情で購入のタイミングを勝手に決めていますが、会社側からすると総数としてどんな状況なのか…がわかることが重要になりますもの。
この時間軸で使われるツールは、CRMであったり、「マーケティング・オートメーションツール」であったりします。成約見込みのような機能がありますものね。
【4】ビジネスを継続させることを考えた時、マーケティングが持つ時間的意義
さて、いよいよ4つ目の時間軸。
この時間軸は、現場のスタッフではなく、完全に「経営者」向けの時間軸です。
しかもこれは、説明するのが難しい…というやっかいさがあります…(^_^;
この時間軸について、「2つの要素」に分けて説明しますね。
1つ目は、会社や事業の「継続」ということに関わる部分です。
例えば、今の売上げが社長や営業部長の人脈によって支えられている場合、もし社長や営業部長がケガをしたり体調を崩して入院してしまうと途端に大変なとこになってしまいます。また健康だったとしても、社長や営業部長が歳をとって以前のように活発に動けなくなったりしますし、人脈の相手方が定年でその会社を辞めてしまったりすることで途端に相手の会社との関係がなくなってしまうことも考えられます。
一方で会社は社員さんがいらっしゃりそこで社員さんの暮らしがある以上、そうそう簡単に終わりにするわけにはいきません。基本的には「ずっと継続」そのために「ずっと発展」ということが前提になります。
このように考えてくると、Webマーケティング(ネットを活用した集客の仕組み作り)というのは、「ある特定の人の、特定な人脈に頼らずに」お客様と出会う接点と生み出していく仕組みとして位置づけることが出来ます。これ、経営者にとってはとても重要なことなんです。
ですから私はお手伝いさせていただく時に、「これからサイトを作ったり、お客様とコミュニケーションする仕組みを準備したりしますが、単に宣伝・集客しているとか、そういうことではなくて、会社の事業を中長期的バックアップする仕組み作りをしているんですよ。」というお話しをするようにしています。表向きは単なるホームページに見えるのかもしれませんが、それが持っている「決定的な意味」を経営者自身がご理解されているかどうか、実は大きな分かれ目になるんです…。
さて、2つ目です。
Webマーケティング(ネットを活用した集客の仕組み作り)は基本的に、結局はある行為を行うことになります。それが何かわかりますか…?
それは「情報の発信」です。
そう、Webマーケティングは「情報発信の積み重ね」によって支えられているんです♪d(^_^)
「積み重なる」ということは、時間とともに少しずつ高見に到達していくということでもあります。このあたりは、以前ブログで書きましたのでそちらをご覧ください。
「情報発信の本質」を経営者視点で考える
http://be-chu.com/blog/413-20160103001.html
この記事を読んでいただくとご理解いただけると思いますが、Webマーケティング(ネットを活用した集客の仕組み作り)というのは、時間とともに楽になっていくというのが本来的な姿なはず。イヤラシイ言い方ですが、「時間とともに、お客様を獲得しやすくなっていく」というのが本来目指すべき姿なハズ。しかしながら、Webマーケティングの現場ではそのことはほとんど意識されません。【2】のお客様とのコミュニケーションに必死になりますし、会社側の【3】も意識しないといけませんから…。
ですから、この部分も、経営者の方が理解しているか、が重要になってくるというわけです。
「ビジネスを継続させることを考えた時のマーケティングが持つ時間的意義」、ちょっと難しいかしれませんが、ご理解いただけましたでしょうか。
◇ ◇ ◇ ◇
さて、Webマーケティング(ネットを活用した集客の仕組み作り)における4つの時間軸を紹介してきました。
【1】サイト上でお客様がどんな動きをするのか…という時間軸
【2】お客様から見て、興味を持ってから購入するまでの時間軸
【3】会社側から見て、お客さんと接点を持ってからご購入いただくまでの時間軸
【4】ビジネスを継続させることを考えた時、マーケティングが持つ時間的意義
この4つの違い、ご理解いただけましたでしょうか?
この4つの時間軸を知っておくと、今、自分がやろうとしていることは全体の流れの中のどこに該当するのか…ということが明確になってきます。同時に、他の時間軸に対して有効に機能しているのか…という確認の意識を持つことができます。
広告を出す時やオンラインツールを導入する時、また代理店や制作会社の提案を聞く時に、ぜひ、意識していただければと思います。
「お客様が増えないのは知られてないからですから、広告を出してもっと多くの人に知っていただきましょう!」なんて言われても、【2】の時間軸(プロセス)のことをあらかじめ考慮していないのでしたら、広告を出してアクセスは一時的に増えたけどもお客様は増えない…なんてことになってしまいます。
同じように「これでサイトのコンバージョンが上がります!」なんて言われても、そもそも【2】【3】の時間軸(プロセス)が機能していないのでしたら導入してもお金を捨てるようなものですよ。d(^_^)
次回もお楽しみに!
無料メールマガジン
「ネットの活用で、地方が変わる!」
ネットに関する様々な情報を「地方」という視点で捉えて、地方のネット活用に活かせるヒントをお伝えします。購読無料で、解除も自由です。
お気軽にご登録ください。
ネット活用のヒントを check!!
- 地方・中小企業の皆様 …… 今、目の前にあるチャンス! & 売れる仕組み作り。
- 自治体サイト担当者様 …… 自治体ホームページの課題と可能性を知る。
- 観光に関わる皆様 …… ネット活用の "もったいない!" 事例を紹介。