ブログ

Be-Chu' s Perspective

 

ChatGPTとは何か:ニュースで話題のAI技術

 

ここのところメディアの注目を集めているのが、OpenAI社が開発した「ChatGPT」です。これは「自然言語処理」という分野で開発された、人間と同じように自然な文章を作る能力を持っているAIサービスです。誰でも無料で利用することができます。

我々のまわりで「ChatGPT」やもう少し広いところで「AI」といった話題を見てみる時、ニュースでよく目にするのは「AIに仕事が奪われてしまうのか…」「大学生がAIにレポートを書かせて提出する」「AIに人間が支配されるのか…」といった話題ばかりのような気がします。メディアは「社会」という視点で(少しばかりセンセーショナルに)伝えたいという意識があるのでこのような切り口になってしまうのも仕方ないのかもしれませんが、これではビジネスや経営という視点に立った時に本質的なところを完全に見失ってしまいます。特に、地方中小企業・小規模事業者の経営者は、まったく違う視点でこの「ChatGPT」というサービスや、ChatGPTが扉を開いてしまった「新しい時代」を認識する必要があります。

この後のいくつかの記事も含めて、この「ChatGPT」がビジネスの現場、特に既存の中小企業が事業を展開している現場でどのように活用できそうなのか、どのような新しい未来を切り拓いていけるのかについて、少しずつ見ていきたいと思います。

なお、ChatGPT と表現した時、ChatGPT そのものを指す時もあれば、ChatGPT というサービスが扉を開けてしまったAIの時代というようなニュアンスで利用する場合もあります。

 

 

ビジネス環境の変化:過去の流れと、今、起きている変革

 

私は、地方中小企業・小規模事業者の皆さんに向けて、「情報発信」をベースにした顧客を生み出す仕組みづくりのサポートをしています。その中で重要だと考えているのは「今の大きな流れを理解し、その枠組みをベースに長期的なタイムスパンで考えること」「自社の特徴・想い・強みをしっかりと理解すること」の2つです。この2つを考えずに情報発信をしようとすると、「インスタグラムの動画がブームらしいから動画を出そう」というように、今日はあっち明日はこっちと、その場限りのことをひたすらに繰り返すだけになってしまいます。

個人の趣味や楽しみで行うのであればまったく問題ありませんが、地方中小企業・小規模事業者として見た場合、もっと広い視野で戦略として組み立てていかなくてはいけません。

ではそのような大きな視野で捉えた時、今起きている「ChatGPT」は、どのような枠組みとして見るといいのでしょうか。
私はつぎのように捉えています。

それは、インターネットの登場から始まる3つ目の大きな変化の時だと d(^_^)

ビジネスの世界では、テクノロジーの進化とともに大きな変革が起こってきました。
蒸気機関や車の発明などを含めたらとても複雑になってしまいますので、いわゆる「インターネット」という切り口にしぼって見ると次ような変化の流れになります。

 

(1)1990年代のインターネットの登場
(2)2000年代のスマートフォンの登場と SNS の普及
(3)ChatGPT の登場

 

それぞれに簡単に見ていきます。

 

(1)1990年代のインターネットの登場

言わずもがな、「インターネット」というものの登場によってビジネス・暮らし・コミュニケーションのあらゆる場面が変わりました。端的にいうと、「誰でも、日本中・世界中の情報に簡単にアクセスることができるようになった」という大変革です。今では当たり前になりすぎて、その大変革のインパクトすら忘れてしまいそうです…。

この時の変化を「地方のビジネス」という切り口で見た場合、「チャンス」と「脅威」の2つが立ち現れました。そもそも「地方のビジネス」は、「情報」×「物流」 の2つの要素がその地域に限られていることによって成り立っているのですが(=商圏)、これが完全に破壊されてまったからです。インターネットを活用して田舎の小さな会社が全国に商品・サービスを提供できるようになればそれはチャンスを活かしたことになりますし、一方で、例えばアマゾンのようなサービスに顧客を奪われてしまったのであればそれは脅威となってしまった…ということです。

つまり、この第1の変化では、事業構造の土台そのものが大きく揺れ動いたことですね。d(^_^)

 

(2)2000年代のスマートフォンの登場と SNS の普及

2007年に iPhoneが発売されて現在までにスマートフォンが一気に普及しました。それとほぼ同じタイミングで、TwitterやFacebookが使われるようになり、その後生まれては消えていくサービスがありながらも現在は、Twitter / Facebook / Instagram / Tiktok / LINE / Youtube を主軸にソーシャルメディアを土台にした日常的なコミュニケーションが行われています。

この第2の変化のポイントは、「個人による情報発信」が主流になっているということです。
それまではインターネットの時代になったとはいえ、大企業がお金をかけて情報を発信するという流れが一般的でした。一般の人はその情報を「受け取る側」です。一般の人で情報を出せたのは、技術としてそれが可能だった人に限定されていました。

一方、SNSは、個人が気軽に情報を発信できる場を提供してくれるようになりました。個人は情報の受け手ではなく、「情報の発信主体」に生まれ変わったのです。さらにスマートフォンというツールも加わりました。スマートフォンは電話ではなく、24時間いつも携帯できるカメラ付きのコンピュータです。そしてそこに組み込まれたアプリが、これまで会社や自宅のパソコンでないとできなかった高度な処理を手軽に実現してくれます。

これを「地方のビジネス」という切り口で見た場合、圧倒的な「チャンス」として立ち現れました。大企業に限定されていた情報発信が、地方の中小企業・小規模事業者も気軽にできるようなっただけでなく、受け手側も、その小さなお店や個人の情報発信を積極的に受け入れるようになったわけですから。そして今現在もその最中にあります。

 

(3)ChatGPT の登場

私は、ChatGPT の登場は、この2つの変化に続く第3の大変革だと考えています。
では、ChatGPT の登場 はどのように位置付けられるのでしょうか。そのためには、そもそもChatGPTには何かできるのか、どんなことに活用できるか…ということを体験していただかないと説明が難しいのですが、ひとまずは次のように表現するのが正しいかと思います。

第1の変革では、地方ビジネスの土台(基礎・足元)が根底から変わった。
第2の変革では、顧客とのコミュニケーションが大きく変わった。
そして、第3の変革では、「会社内の業務・作業が、圧倒的に効率化・レベルアップ」される

 

どういうこと…?という方も多いかと思うのですが、その一例として、マイクロソフトが2023年3月に発表した「Microsoft 365 Copilot」の紹介動画を見ていただくのが手っ取り早いと思います。私がお伝えしたいことの意味がわかるハズ。

マイクロソフトは、ChatGPT を開発している OpenAI社に対して 1.3兆円以上の巨額投資をしており、マイクロソフトの製品にChatGPTの技術を組み込んでいる最中です。

「Microsoft 365 Copilot」は、まさに、我々が慣れ親しんでいる Office(WordとかExcelとか) にChatGPTの技術を組み込んだものに他なりません。
この後、動画を3本紹介しますので「こういうことが起こる」ということを感じていただければと思います。

 

Microsoft 365 Copilot の紹介動画

(英語版なので見る必要はありませんが(^^;、これが正式動画なので掲載しないわけには…)

 

 

 

日本マイクロソフトによる「Microsoft 365 Copilot」の紹介

簡単な解説動画が掲載されています。

 

 

 

Microsoft 365 Copilot を解説した動画

この動画を見ていただけば、マイクロソフトがChatGPTの技術を利用して何をしようとしているのか、それによって我々の社内業務がどのように変わることになるのかがわかるかと思います。

 

 

 

いかがでしたでしょう。私が、第3の変革では「会社内の業務・作業が、圧倒的に効率化・レベルアップ」されると言っている意味がなんとなく理解できましたでしょうか…? 

ChatGPT が担う役割は「Copilot(コ・パイロット)」、つまり、我々操縦士をサポートする副操縦士。
まさに、我々に苦手なところ、面倒なところ、手が届かなかったところ、知識が及ばないところをサポートしてくれるのです。そのような武器を手に入れられるということは、ChatGPTが、地方の中小企業・小規模事業者にとっての「新しい時代の扉」を開けてしまったとしか思えないのです…。

 

 

ChatGPTの利用可能性

 

さて、Microsoft 365 Copilot の開発はマイクロソフトにお任せし、早く我々も使えるようになることを期待しながら、「ChatGPT」というサービスそのものがどのような可能性を開くのでしょうか。
こういう利用方法もある、こう活用できるっていうのを細かく書いていきたいのですが、それは別な記事にしていくとして、今回は大まかなことだけ紹介したいと思います。

ChatGPTは、大きる分類すると以下のことができます。

  • 質問回答
  • 分析
  • 翻訳
  • 要約
  • 文書の執筆
  • アイデアだし
  • プログラミング

皆さんの事業内容によってどの項目が有益なのかは違ってくるのですが、多くの方に有益なのは「要約」「アイデアだし」です。

長い文書をChatGPTに貼り付けて「要約して」とお願いすれば、あっと言う間に文書を要約してくれます。これは結構便利です。

「アイデアだし」は、その利便性がとてもわかりやすいかと思います。
新規事業という大きな話題であっても、セミナーのチラシのキャッチコピーというような小さな話題であっても、ChatGPTに「●●を製造しているのだけど、これを利用した新規事業のアイデアを10個考えて」であったり「初心者向けにヨガのセミナーを開催します。元気になりそうなコピーを10個考えて」と入力すると、ちゃんとアイデアを出してくれます。

 

スプーンを製造しているのだけど、これを利用した新規事業のアイデアを10個考えて

 

経営コンサル会社さんに「新しい事業アイデアを10個ちょうだい♪」なんてお願いしたら、いくらかかることか…。
気になるものがあれば、その進め方ステップをまたChatGPTに聞いてみるとアイデアが実現化に動き出します。

 

初心者向けにヨガのセミナーを開催します。元気になりそうなコピーを10個考えて

 

それをそのまま採用してもいいですし、そのアイデアをもとにして自分でアレンジしてもOK。要は、ゼロから「うーうー」言いながら時間をかけるよりも、ChatGPTにパッとアイデアをいくつか出してもらいながら進めていく方か圧倒的に効率的に進めていくことができます。

さらに質問も絞り込んだり、ブレークダウンしていくことでより自分が思い描いているような回答をえられることができます。
これを ChatGPT 界隈では「プロンプトエンジニアリング」「プロンプトテクニック」と呼びます。

 

さらに、ちょっと高度なものとしては、次のような利用方法も考えられます。

実はChatGPT には、大きくわけて2つの利用方法があります。
一つは、ブウラザーの画面に自分でテキストを入力して会話形式でやり取りする方法。先ほどの要約やアイデアだしはこっちの利用ですね。

もう一つは、プログラムをChatGPTに接続させて利用する方法です(API経由で利用するって言います)。こちらの方法では、さらに高度で複雑なことができますが、システム開発のスキルが必要になります。
でも自分で開発しようとしなくても大丈夫。あっという間にそういうサービスがタケノコのようにいっぱい登場してきますので、それを利用すればOK。私たちは、ChatGPTで開発するのが目的なのではなくて、この革命的な技術を今のビジネスに利用することが目的なのですから。

 

顧客とのコミュニケーション

ChatGPTは、24時間365日、人間と同様の自然な会話を提供できます。これにより、顧客からの問い合わせに即応することが可能となりますので、顧客サービスの向上が期待できます。また、電話やメールでの対応が必要な時間を削減することによる、従業員の業務効率化。

 

内部業務の効率化

日々の業務で繰り返し行われる作業、例えばデータ入力やレポート作成などを自動化することが可能です。これにより、生産性の向上を実現できますね。

 

企業の意思決定のサポート

ChatGPTは、複雑なデータ分析を行うためのクエリを自然言語で作成することができます。つまり、専門的な知識がなくても、ChatGPTを通じてデータ分析を行うことができます。これにより、経営者やマネージャーが直接、市場のトレンド分析や販売予測などを行い、より精緻なビジネス戦略を立てることが可能となります。

 

などなど。

 

※ChatGPTの細かい利用方法や、他のプログラムとの連携による効率化はまた別な機会に紹介できればと思います。

 

 

「新しい時代の扉」が開いてしまった今

 

この記事で私がお伝えしたいのは、「第3の大きな変化」が起きているということ、目の前で「新しい時代の扉」が開いてしまったということです。
そして、それは地方中小企業・個人事業者にとって巨大なメリットをもたらすということです。

 

もう一度まとめますね。d(^_^)

第1の変化では、地方の中小企業が、これまでの「情報 × 物流」という制限を超えて、日本全国に世界各国にサービスを提供できるようになるとともに、地方にいながらにして、世界中の情報・サービスを使うことができることになりました。

第2の変化では、それまで大企業に限定されていた日本全国・世界への情報発信が小規模事業者でも個人でも可能になり、自社のファンを世界中に作ることができるようになりました。

そして今回の第3の変化では、業務の様々な側面での効率化が図れると共に、それまで資金や専門能力がなければ利用できなかった「知識・知見・ノウハウ」を地方中小企業・個人事業者が利用できるようになりました。

 

ひとことで言ってしまえば、いずれも「ビジネスプラットフォームの大変革」とまとめられますね。
しかも、第1 --> 第2 --> 第3 と、地方の中小企業にとってどんどんとメリットが増えていっている、チャンスが増えていっている、ビジネスがやりやすくなっていっているということがキモです。

 

新しい扉が開いた今の状況を、私はこのように話しています。

「ちょうど、2007年にiPhoneが初めて発売された時みたいな感じ」d(^_^)

 

当時、「いや~、iPhoneなんて、電話ぐらいしか使わないから俺には必要ないなぁ…」と言っていた人が大半でした。
それが今や、世界中の人がスマートフォンを持ち、日本国内のスマートフォン利用者の半分がiPhone を利用し、人は1日に2,600回もスマートフォンにタッチし(神科医・アンデシュ・ハンセン氏)、なくてはならないコミュニケーションツールです。

当時「必要ない」と言っていた人が間違っていたということではありません。人それぞれの状況の中で、それを利用するタイミングがあり、それを利用しないといけないタイミングがあり、利用してみたら便利さや楽しさを知り、社会の仕組みが次第にそれを利用することが前提なのもに組み変わることで結果的に暮らしに必須なのものになっていくからです。ChatGPTも同じような流れになるのでしょうし、後々振り返った時に、あの2022-2023年から時代が変わったんだな、と言われることになるのだと思います。

 

一方で、「ビジネス環境の変化」が起こる・起こり始めている・起ころうとしているのだとしたら、我々はもう少し現実的な視点でとらえなくてはいけません。端的に言えば、「それを利用する新しい時代が来るのであれば、トットと体験してしまうに限る」、これです。
しかも ChatGPT は誰でも無料で利用できるのですから、ぜひ触って、いじっていただきたいと思います。

 

AI研究の第一人者である松尾豊さんは、ChatGPTの解説の中でこのように話されています。

色々な議論や課題はあるが、「使わない未来はない」

まさにこれだと思います。

 

※本記事も、ChatGPT とやり取りをしながら書いています♪

※ChatGPT を利用する際には、次のことに注意してくださいね。
 ・回答が必ずしも正確であるとは限らない
 ・個人情報を入力しない
 ・会社の機密情報を入力しない

 

※この記事のために ChatGPT を利用している中で、ChatGPT からありがたいお言葉をいただきました(笑)

最後に、どんなにテクノロジーが進化しても、あなたの事業の中心には、常に「人」がいることを忘れてはいけません。あなたのサービスを利用するのは人であり、その人々のニーズに応え、価値を提供することが最終的な目標であるべきです。そして、そのためには、あなた自身が人間としての視点を持ち続け、その視点から情報発信を行うことが重要です。AIはその一助となるツールであり、その使い方はあなた自身の手に委ねられています。

  

 次回をお楽しみに!

 


講演・セミナー(自治体向け)

講演・セミナー(自治体向け)

自治体サイトの運営・課題についてお話しさせていただきました。

実績・事例を見る

 

講演・セミナー(観光&DMO)

講演・セミナー(観光&DMO)

観光でのネット活用についてお話しさせていただきました。

実績・事例を見る

 

講演・セミナー(企業向け)

講演・セミナー(企業向け)

集客・マーケティング・サイト制作など関するセミナー

実績・事例を見る

 

 

無料メールマガジン、購読申し込み

 

無料メールマガジン
「ネットの活用で、地方が変わる!」

ネットに関する様々な情報を「地方」という視点で捉えて、地方のネット活用に活かせるヒントをお伝えします。購読無料で、解除も自由です。
お気軽にご登録ください。

 

ネット活用のヒントを check!!

 

 


無料メールマガジン「ネットの活用で、地方が変わる!」

ネットに関する様々な情報を地方という視点で捉え、地方のネット活用に活かせるヒントをお伝えします。購読無料で、解除も自由です。お気軽にご登録ください。

メルマガの紹介

 

お問合わせはこちらから

お問い合わせ