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Be-Chu' s Perspective

 

最近の私は、単なるサイト構築するという枠を大きく超えて、その会社やお店や事業の基本方針や将来の方向性、戦略づくりなどにも関わってくるようになっています。私からしてみるとそれは至極当然なことでもあります。というのも、サイトの制作やネットを利用した情報発信というのは、あくまでも、その会社や事業の「方向性・戦略が結果として表現されたもの」にすぎないからです。

 

ですが残念なことに、「方向性・戦略が結果として表現されたもの」ということを増えまずに、事業が思うように行かないと言っては広告を出してみたり、お客さんが来ないと言っては○○○マーケティングや○○○集客術という情報にパッ!と飛びついてみたりしている現場がチラチラと見えています。「前やったのはうまくいかなかったんだけど、○○○が良いいっていうから今度やってみようと思ってね~」なんておっしゃられている方には、改めて説明するのも大変なので、頑張ってみてくださいね♪と背中を押してあげることにしています。

 

 

ある飲食店がうまくいっていた理由

 

情報発信すべきは「方向性・戦略が結果として表現されたもの」というのは、こういうことです。

例えば、人通りの多い通りに面したある飲食店があったとします。人通りが多いので、おなかがすく時間になると店前の看板を見てお店に人が流れてくる、そういうスタイルの営業をしていました。常にお店の前には人通りがあるので、その人の流れの中からいかにしてお店に入ってきてもらうか、そして、お店で食べていただいた後にまたリピートしていただけるか、ということが商売のポイントになってくるはずです。

ところがある日、近くに新しい通りができて人の流れが大きく変わることになりました。これによって、お店の前の人通りも前とは違って少なくなってしまいました。これまでは黙っていてもお店に人が入って来てくれていたのに、それも大きく減ってしまいました。

こういう時、減ったお客さんを取り戻そうとして、よっしゃ!うちもネットを活用してお客さんを集めよう!と○○○マーケティングや○○○集客術という情報にパッ!と飛びついてしまっても恐らくうまく行かないのではないかと思います。

そもそも、かつてうまく行っていた(お客さんが来店していた)のは、そのお店がお客さんに選ばれていたからではなくて、たまたま人通りが多かったためにある割合でお客さんが来ていただけに過ぎないのかもしれないのです。商売の基本「地の利」の勝利です。優秀なのは今の店主ではなくて、その地を確保するために動いた先代かもしれません…。
しかも、これまで地の利で商売をしていたお店がネットを活用してお客さんを集めようとすると大きな課題にぶち当たります。これまで別にお客さんに選んでもらっていたわけではないので、ネットに出す的確な情報がないのです。もっと言うと、地の利以外に、他のお店ではなくてうちのお店を選んでもらえるような「特別」が見当たらないのです…。

これはものすごい悲劇です。このお店は地の利以外の、別な切り口でお客さんを呼べるようにならないといけないのに、お店自体はそういう発想でこれまで営業してきたわけではないのですから。

考えないといけないのは、地の利というこれまでの特権が奪われてしまった今、どうやって「わざわざ」このお店に足を運んでもらえるようにするのか、ということです。
(実際にはそれ以前に、地の利のいい他の場所に移転するとか、事業形態を変えるとか、経営的な判断が必要になります)

これらを検討した結果、じゃぁ、そのお客さんになってくれるだろう人に対してネットをどう利用していこうか…というステージになります。情報発信が「方向性・戦略が結果として表現されたもの」と言っているのはそういうことです。

 

同じことは会社の事業にも

 

今回は飲食店を例にしていますが、まったく同じが会社にも起こっています。

  • その会社を利用しなくても、ネットで簡単に同じものが手に入るようになった
  • 以前は住んでいるエリア内で購入していたのに、新しい道路の開通によってエリア外で購入されるようになった
  • 以前は住んでいるエリア内で購入していたのに、ネットを利用して簡単に購入できるようになった
  • 技術革新が進んで、自社の価格が他に太刀打ちできなくなった
  • 技術革新によって、自社が提供するサービスが業界内で不要になってしまった

    などなど…。

 

このような状態で、「雨宮さん、うちもホームページやネットの情報を活用して売り上げを戻したいんだよね…」と言われても、そうは簡単にはいきません。私がもし(意地の悪い)広告代理店だったら、「そうですか~♪ そうしたらネット上にいっぱい広告出して、お客さんを呼び込みましょう!」なんて言って、ムフフ ( ̄ー ̄) ニヤリとしていたかもしれませんね。

 

この状況で大切なのは、会社としてどういう戦略・選択をするの? ということ。それを実現するために、じゃぁ情報発信はどうしていくの? というであるハズです。しかし、残念ながらと言いますか、これまでの日本があまりにも幸運だったというべきか、ついこの前まで戦後70年間ずっと日本の経済は成長していたために、これをあまり考えずにやってこれたという経験から抜け出せずに「会社としてどういう戦略・選択をするの?」という考え方ではなくて、「昔うまく行っていた時代」から抜け出せない方がいらっしゃるのも事実。どこに広告を出そうかを考えたことはあっても、広告を出す目的や他の手段、伝えるべきものやその意図を考えたことがない方が大勢いらっしゃいます。(何度もいいますが、そういうことを考えなくても事業を継続してこれたということは本当に素晴らしいことです! ですが、明らかに今はそのフェーズが変わってしまいました…)

 

もちろん、ホームページ制作会社さんに頼めば素敵なホームページを作ってくれますし、知り合いに聞けばインスタグラムやLINEの使い方なども教えてもらえます。自分でホームページを作れるサービスもありますから、自分や自社内でやってもいいです。

 

ですがですが、この状況下で根本的な方向性や戦略が再構築できないとなると、もう、ネットに情報を出す前にすでに勝負がついてしまっているようなもの。「新しいお客さんと出会い続ける」という仕組みは恐らく出来上がらず、気づいたらまた同じスタート地点に戻ってしまっている、そういう状態になってしまうのではないかと思います。

  

 次回をお楽しみに!

 


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