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今回は、以下の4本を通して「手法や施策の前に、まず構造を理解すること」を考えます。

  1. 指標で見る EC年商10億超え を支える施策
  2. SNSと生成AIはどこまで検索に利用されているか
  3. 2026年にSNS・AI・インフルエンサーはどう活用されるのか
  4. 私たちが取り組もうとしているYouTubeショートのもう一つの現実

 

 

指標で見る EC年商10億超え を支える施策

EC年商10億超え20社 KPI実データ ECzine

EC年商10億超え20社のKPI実データが示す、経営貢献度が高い打ち手とは?事例含め解説(EC zine)

 

EC年商10億円を超える企業20社と、年商1〜5億円規模の企業を比較し、何が違っているのかを、実際のKPIデータをもとに分析した記事です。

  • 年商10億円を超えるEC企業は、年間のPV数やセッション数が、年商1〜5億円規模の企業に比べて12〜16倍
  • 訪問ユーザーの構成を見ると、年商10億円を超える企業では、約7割が新規ユーザー
  • 購入率やリピート率そのものには、極端な差はない

などの興味深い調査結果が紹介されています。

私が注目したのは以下の2つです。

一つ目は、売上規模の差を分解していくと、「購入率が高いから売れている」というよりも、どれだけ多くの人がサイトに訪れ、その中でどれだけの接点を持っているかという部分に大きな差があるということ。

記事の中では、会員数やメルマガ会員数が売上との相関が高い指標として示されています。これは、購入に至らなかったユーザーも含めて、サイトと継続的につながる仕組みを持っているかどうかという違いが、データとして表れているということです。

二つ目は、これからのECサイトには「メディア化」が必要になるという分析です。

商品を並べて販売するだけのECではなく、記事コンテンツや比較情報、ガイド、スタッフ発信などを組み合わせ、ECと情報発信を一体化させる取り組みがポイントになるというのはその通りだと感じました。

中小企業にとってこの調査結果は、ECに対する誤解をいくつか解消してくれます。
EC というと「売上の差は、広告量や商品力で決まる」と思われがちですが、そうではない点をデータで示してくれています。ECであっても、サイトの周辺にどんな情報があり、どんな形でユーザーと接点を持っているか、その構造の違いが結果として数字に表れているからです。

年商10億円のECと、それ以下のECとで、サイトの構造や役割の捉え方がどう違うのか。それをデータから読み解いた、非常に示唆の多い記事です。ECに限らず、BtoBやサービス業など、地方の中小企業の情報発信を考える上でも参考になりますので、ぜひ一度、ご覧になってみてください。Check it!

 

 

SNSと生成AIはどこまで検索に利用されているか

生成AIユーザー利用実態調査 検索の生成AIシフト

サイバーエージェント GEOラボ、生成AIのユーザー利用実態調査 第二弾を実施 検索の「生成AIシフト」が加速、利用率は半年で約1.5倍の31.1%へ伸長(サイバーエージェント)

 

調査では、検索行動における生成AIの利用率が 31.1% に達し、半年前の調査から約1.5倍に増加していることが示されています。また、世代別に見ると、若年層ほど生成AIやSNSを検索に使う割合が高く、検索行動そのものが多様化していることが分かります。

この記事で特に注目したいポイントは以下です。

まず一つ目が、図3:日常の検索行動で利用する検索サービス(世代別)です。

このグラフでは、検索サイトだけでなく、SNSを検索に使っている割合が非常に高いことがわかります。
さらに、グラフ上ではSNSが一括りになっていますが、表をよく見ると、世代によって検索に利用されているSNSに大きな違いがあることがわります。

 

二つ目は、図5:検索行動の目的別に利用するサービスです。

依然として検索サイトの利用割合は高いものの、すべての調べものを同じ場所でしているわけではない、という実態が見えてきます。調べる内容やシチュエーションによって、検索エンジン、SNS、生成AIと、検索する場所を使い分けていることが示されています。

 

この記事が示しているのは、「検索がAIに置き換わった」という単純な話ではありません。
実際には、人は目的に応じて、検索する場所を選んでいる。その選択肢の中に、検索エンジンだけでなく、SNSや生成AIが自然に入り込んできているといえます。これは、自社の情報が「検索エンジンの回答の中にあるかどうか」だけでなく、どこに、どんな形で存在しているかという視点で見直す必要がある、ということでもあります。

検索の今の状況を、世代別・目的別のデータから整理した、非常に示唆の多い調査ですので、ぜひご一読ください。Check it!

 

 

2026年にSNS・AI・インフルエンサーはどう活用されるのか

2026年 マーケター AI インフルエンサー活用

2026年にマーケターはAI、インフルエンサーなどをどのように活用する予定か(Social Media Today)

 

この記事は、500人以上のマーケターを対象にしたEmplifi の「State of Social Media Marketing 2026」レポートをもとにしたもので、2026年に向けて、AI、インフルエンサー、SNS、UGCがどのように捉えられているかがまとめられています。

まず、インフルエンサーマーケティングについて、67%のマーケターが、2026年にインフルエンサー関連の予算を増やす予定と回答しています。その際の主な目的は、売上やリード獲得ではなく、「ブランド認知」が70%でトップになっています。

また、消費者の65%が「共感できるコンテンツが購買行動につながる」と回答しており、インフルエンサー施策は、直接売るためというより、ブランドを知ってもらうための施策として位置づけられていることが分かります。

次に、ユーザー生成コンテンツ、いわゆるUGCについてです。

UGCについては、65%のマーケターが「重要、または非常に重要」と回答している一方で、実際にUGCを十分に活用できているのは28%にとどまっています。課題として挙げられているのは、運用や管理の難しさ、効果測定のしにくさなどです。重要だと分かってはいるものの、仕組みとしてはまだ確立できていないというのが現状です。

そして、2026年に向けて注力するSNSについてです。

最も多かったのは Instagram、続いて LinkedIn、Facebook、TikTok という結果になっています。
また記事の中では、「特定のプラットフォームに集中するのではなく、複数のプラットフォームに分散して取り組もうとする動き」が強まっていることも指摘されています。つまり、一つのSNSですべてを完結させる、という考え方ではなくなってきているということです。

この記事で見えてくるのは、AIも、インフルエンサーも、UGCも、SNSも、最前線にいるマーケターでさえ、まだ試行錯誤の段階にあるという現実。「みんながうまくやっている」「もう完成形がある」というわけではなく、何が重要かは分かってきているけれど、どう運用するか、どう仕組みにするかは、多くの現場がまだ模索中…ということです。

 

私たち地方の中小企業は、最新トレンドをそのまま真似するよりも、一歩下がったところから「何が重視され始めているのか」「どこで多くの人が止まっているのか」を知ることが大切だと思います。AIやSNSの話題は、どうしても「やらなければ遅れる!」「誰も知らないこの手法!」という空気になりがちですが、この記事は、焦らせるためのものではなく、立ち位置を確認するためのデータとして読むと、非常に参考になります。ぜひ一度、記事をご覧になってみてください。Check it!

 

 

私たちが取り組もうとしているYouTubeショートのもう一つの現実

YouTubeショート AI生成動画 問題

YouTubeショートの3分の1が脳を腐らせるゴミ動画、AI生成の動画で億単位のカネが儲かる今の仕組みはおかしくない?(JBPress)

 

動画編集ツールを提供するKapwing社が発表した調査レポートをもとに、YouTubeを中心に広がっている低品質なAI生成動画が、ビジネスとして成立している実態を整理してくれています。

Kapwingの調査では、新規に作成したYouTubeアカウントで最初に表示されるショート動画500本のうち、約33%が「ブレインロット」と呼ばれる中毒性の高い低品質動画で、約21%がAIによって生成されたコンテンツだったとのこと。つまり、新しくYouTubeを使い始めたユーザーは、約3本に1本の割合で、思考せずに見続けてしまうよう設計された動画に出会う可能性がある、という実態が示されています。

このような中毒性の高い低品質な動画や、AIスロップ(AIによる低品質コンテンツ)が大量に生まれるのは、プラットフォームのアルゴリズムがそのようなコンテンツを求めているからに他なりません。視聴者を「麻痺」させ、次々とスワイプさせ続けることで、結果的にプラットフォームは視聴者をずっとアプリ内に滞在させることができる一方で、そのような動画を投稿する人(会社やチーム)は、多くの広告収入を得ることができるという、共存(見方によれば共犯とも言えますが…)関係が成り立っています。記事の中では同じテンプレートのAI生成動画を大量に投稿することで、数百万ドル規模の収益を得ているチャンネルも紹介されています。

記事にもあるように、見る側としては、こうした動画に注意し、自己防衛する必要があります。その点は、知っておくべき事実だと思います。

一方で、私たち中小企業の多くは、「見る側」だけでなく、「情報を発信する側」に立つことが求められています。
この記事をその立場で読むと、また別の風景が見えてきます。

YouTubeやInstagram、X、TikTokといったプラットフォームは、必ずしも「情報提供者と視聴者のコミュニケーションを促す場」として設計されているわけではありません。記事が示しているように、これらのプラットフォームは、ユーザーが深く考えずに動画を見続ける状態を作ることで、売上が伸びる構造を持っています(最近のアルゴリズムの傾向を見ると、むしろその傾向がどんどん強くなってきているように思います)。私たちは、YoutubeやSNSを通じて、お店や自社のこと、来週開催されるイベントのことなどを一生懸命に告知しようとしたり、まだ見ぬお客様と出会うように努力しているわけですが、その舞台となっているプラットフォームはこれらの利用者の努力とは無関係に、「大きなゲームルール」の中で利用者を骨抜きにすることを目指しているという現実があるのです。

大切なのは、私たちはそのような構造のプラットフォーム上で、お客さんに情報を届けようとしている、という事実を知っておくこと。この記事や元になっている調査結果は、低品質動画の危険性を知るためだけでなく、情報がどんな環境で消費されているのかを理解する上でも、多くの示唆を与えてくれます。ぜひ知っておきたい現実です。Check it!

 

 

地方・中小企業にとっての読みどころ

今回の4本の記事はテーマや切り口は違いますが、表に見える現象ではなく、その裏にある構造を示しています。

ECの売上差、検索行動の変化、SNSやAIのトレンド、YouTubeショートの現実。どれも「これをやればうまくいく」という話ではなく、なぜ今こうなっているのかをデータや調査から整理しています。

ネット上には「やらなければ遅れる」「誰も知らない最新手法」といった情報があふれていますが、そうした声に振り回されるほど、自分たちの立ち位置や進む方向は見えにくくなります。

地方・中小企業にとって大切なのは、流行りを追うことではなく、今起きている変化を、自分たちの状況に引き寄せて読み取ること。今回の4本は、答えを与える記事ではありませんが、判断を誤らないための視点を整えてくれる内容です。

 

 次回をお楽しみに!

 

<!p>この記事の内容は、ポッドキャストでもわかりやすく解説しています。
通勤や作業の合間に、耳で聴いて理解を整理したい方におすすめです。ぜひ合わせてどうぞ♪

🎧 ポッドキャストで聴く:この記事のポイント

 

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