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Be-Chu' s Perspective

 

あけましておめでとうございます。
2018年もどうぞよろしくお願いいたします。 

昨年は私にとって色々な意味で、そして良くも悪くも「大変な」1年でした。


一番大きいのは、「日本版DMO」「観光圏」という形で、「観光地域づくり」の最前線に関わるようになったこと。
これまでも「ネットの活用で地方が変わる」を合言葉に、地方目線でのネット活用をサポートしてきましたが、これまで以上に「地域」を背負った上でのネット活用ということを考えるようになりました。

 

「インターネット」でも、「スマートフォン」でも、「AI(人工知能)」でも、「AIスピーカー」でも、実は「地域を全く背負わない」ところでイノベーションが起こり、サービスがスタートしてきます(そもそも資本主義のロジックが地域とは無関係ですもの…)。だからこそ、ひとつのスマホアプリを中心にしたサービスを立ち上げ一気に世界を獲りに行こうとするベンチャー企業がたくさん出現し、そこにたくさんの投資が集まります。地域どころか国の枠すらも簡単に飛び越えることで企業価値がかつてないほどに極大化していく、というのが今の 「ITビジネス」というか「ITを基板にした新しいビジネス」の特徴です。

 

そんな状況の中、「地方」という切り口では2つの立場が考えられるかと思います。

一つは、世界に飛び立つ「ITを基板にした新しいビジネス」を地方から立ち上げるという方法。
東京発ではなく、地方発で新しいサービスを作り上げていくということです。

国の施策との関係で行けば、「地方創生」であったり「テレワーク」であったりと、どちらかと言うと内閣府や経済産業省の立場と親和性がある考え方かしら。 

 

もう一つは、地方が地方であり続けるために(地域が地域であり続けるために)、新しく生まれるイノベーションをどのように活用していくのか、という立場。
地方を背負った上で、新しい情報ツールやサービスをどう活かして地方を元気にしていくのか、と表現すればいいのかしら。

国の施策との関係で行けば、観光庁の立場に近いかなぁ。
(同じ観光でも、経済産業省と観光庁とではちょっと違うんだなぁ…ということを昨年知りました…(^_^;)

 

そもそも「経済」、ことに「資本主義経済」はそもそも「地域」という考え方はありません。
地域という考え方すらも飲み込み、さらには国という枠組みすらも飲み込んでいくという恐ろしいパワーを持っています。
 

そんなパワーの前に、できることなら「地方が地方であり続ける」ことを最初に掲げて、その中で新しいものを賢く活用していく道を取りたい、そう思っています。

 

誤解も生みそうな表現ですが、別な言い方をすると、
経済やITなど、最先端かつ圧倒的なパワーをもつ「TOKYO」の波に飲み込まれていくことを承知しながらも、「地方が地方であり続ける」ことを最初に掲げて、その中で「TOKYO」を賢く活用していく道を取りたい、ということかと思います。

 

思うに、戦後からつい数年前まで、地方は、ここまで「地方」というアイデンティティや「商い」ということを意識する必要がなかったはず。
普通にといいますか、何もしなくても「地方が地方であり続ける」ことと、地方が存続するための「商い」が両立していたように思います。
(簡単に言うと、人口増を土台にした経済の右肩上がりの中で地方が存続できていたといいますか)

 

それが今では、「稼ぐ地方になるために」という講演が開催されるように(=あえて何かをしないと地方は稼げなくなり、地方の存続が危うくなっていることの裏返し)、地方が「商い」を意識せざるを得なくなり、否応なしに、経済やITの最先端で圧倒的なパワーをもつ「TOKYO」の波に飲み込まれていき、地方のあらゆるものが「商品化」されたり、地方のあらゆるものが「マーケット目線」で語られるようになることに戸惑いがあるのも確かです。

私がかかわる「観光」とはまさにこの領域。
地方が保有している独自の環境や資源を「商品」として形にし、「マーケット目線」で表現することが観光なわけですから。

一方で、経済が飲み込む波のあまりの強さに、これまで地方が地方であり続けられた「文脈」とはかけ離れた「消費される文脈」でしか地方の資源(文化や風習や想い)が表現されなくなってしまうかもしれないことに大きな大きな危惧を持っている自分がいます。

 

わかりやすいのは「お祭り」。
そもそもお祭りは、その地に住んでいる人にとってしかその「意味」や「意義」「大切さ」「楽しさ」「待ち遠しさ」は理解できません。
同じ地方に住んでいたとしても、他の地域のお祭りはまったく理解できません。

一方で、「お祭り」と「観光」を結び付けようとすると、外野からも魅力的に感じられるよう「マーケット目線」で表現し直す必要があります。
「500年続いているお祭り」だとか、「7年に一度ひらかれる日本の三大奇祭」だとか。

でもそのお祭りをしているその地の人は、そんなマーケット目線で表現されることとは無関係に(時に違和感や反発心を持って)、そのお祭りが行われる意義を理解し、お祭りに参加する誇りを胸に執り行っているはず。

この違いを表現すれば、お祭りは、マーケット目線では「イベント」であり、その地域の人にとっては「行事」なのです。 

 

存続のために地方は何かしらの「商い」(の取り組み)をしなくてはいけなくなってしまった現在、そのスタイルは否応なしに「TOKYO」方式に飲み込まれていくことでしょう。これまで地方が地方であり続けられた大きな理由は、「TOKYO」と戦う必要がなく、「Not TOKYO」であり続けられたかたらだと考えた時、地方は「TOKYO」の荒波の中で、それでも「地方が地方であり続ける」ことができるのか、もしくは、「イベント」と「行事」とを自身の中で両立させていこくとができるか、そんなことがとても気になります。

 

なにか、訳の分からないことをぐだぐだと書いてしまいましたが、決して排外主義的に考えているわけではありません。
地方が存続するために(「TOKYO」を活用しながら)「商い」をしつつも、それでも「地方が地方であり続ける」意識や誇りや想い、文化・風習を持ち続けられるようでありたい。そう思っています。


私はこれまで「地方が地方であり続ける」ために、地方の立場でネットをどう活用して行ったらいいのかということを考えてきたつもりです。
2018年もこのことを大切にしながら、皆さまにお役に立てるサービスを続けていきたいと考えています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。 

 

次回もお楽しみに!


 

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