地方や中小企業も同じ土俵で勝負できる！ことを忘れない。

ネットにつながれば、そこは同じ土俵。

ここは長野県。窓の外に目をやると、八ヶ岳や南アルプスなどのきれいな山々が目に入ってきます。一方でコンピュータに目を移すとそこはネットの世界。窓の外の景色こそ変わってしまいましたが、PCの画面には、かつて私が東京のオフィスで見ていたものと同じものが映し出されています。光景としては当たり前ですが、このことの重要性をもう一度認識しておく必要があります。

つまり、ネットに接続した瞬間に地域差は関係なくなるという、極めてシンプルな事実。以前、トーマスフリードマン著の「フラット化する世界」でも紹介されていたそれです。

地方における、このことの重要性をもう一度考えてみます。

ネットの利用を考えない場合、例えば、長野県にいる私が東京や他地域の情報に触れられる機会はなかなかありません。テレビや新聞・雑誌・ラジオから流れてくる情報が、唯一の東京や全国の情報でした。しかしネットが利用できる今では、誰でも自由に、東京や他地域の情報にアクセスすることができます。例えば、ここ長野県にいながらにして　www.ustream.tv などで、チリの鉱山作業員救出の、さまに今その時の映像を見ることさえできます。これは単に"便利"というではなく、その範疇を超えて、「社会(学)的な認識」が大きく変わるということですね、余談ですが…。

話を戻して、このことをビジネスという視点で見て見ると…。
テレビ・新聞・雑誌・ラジオで、地域差を超えて情報を伝えるにはものすごいコストがかかります。出典を忘れてしまいましたが、テレビコマーシャルで、「見たことある」というレベルまでリーチさせるのに1億円、「知っている」というレベルまでリーチさせるのに3億円のコストがかかるのだそうです。しかも、「知っている」と「興味ある」とは別。商品やブランドを知ってもらうことはマーケティングにおいて最も重要なことですが、テレビコマーシャルは強制的にメッセージを届けるため、受け手は「知っている」と「興味ある」とが必ずしもつながっているわけではありません。

一方で、地域差が関係なくなるネットの場合、ご存知のように、ネットへの接続コストは都市部でも地方でも変わりませんし、かつ、コストが非常に安い。にもかかわらず、全国の人が同じ情報にアクセスすることができます。15年前のインターネット登場の時と同じ話になってしまいそうですが、物流環境が整備された今、そして、様々なネット専用サービスが立ち上がっている今、地方におけるこのことの意味が非常に大切になります。

商品を販売するお店で考えてみます。

●ネットで商品を購入する際、お店がどの都道府県にあるのかはほとんど関係ない。

私もオンラインショップでよく商品を購入しますが、その店舗がどの都道府県になるのかはほとんど気にしません。同じ商品であれば、価格サービス、そして配送料を比較して購入してしまいます。地域差は、配送料という金額の差でしかなくなります。商品が届いて、配送伝票を見て、初めてその商品が広島から届いたということ知るに過ぎません。

●流通、集金のシステムが整っている。

通常、新たに商売を始める場合、その商品の流通ルート(販売ルート)を確保することが一番大変なことかと思います。しかしネットの場合、宅配サービスを利用することでそれが解決されますし、面倒かつ複雑な集金の仕組みについても、それ専用のサービスがいくつも提供されています。
以前は、カード会社とひとつひとつ契約したり、自社内で決済システムを構築しなければなりませんでしたが、今では、カードやコンビに支払い、電子マネーの支払いができる簡単決済システムを簡単に導入することができます。

かつて、全国を相手にビジネスすることは、その流通ルートを確保するためにも、特殊な決済システムを整えるためにも、資金力のある大企業だけができることでした。しかし、インターネットの登場によって、そして、物流、集金のサービスが安く利用できる環境が整ったことによって、どの地域におけるどんな規模の企業でも、そして個人でも、全国を相手にビジネスをすることができるようになりました。
地域差も、資金力も関係なく、全員が同じ土俵の上に立っているという事実、そして、そこに広がる無限の可能性とチャンス。地方や中小企業の方は、このことを忘れてはいけないと思います。

では、何が差になるのか。何が必要になるのか。それは、魅力的な商品と、ネットの活用に関する知識やノウハウです。これはどちらも、地域差は関係ありません。それぞれの方の努力です。「同じ土俵に立つ」ということは、地域差による言い訳ができないということでもあります。

次回をお楽しみに♪