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Be-Chu' s Perspective

「サイトからお問い合わせがない」「リニューアルしたのに効果が見られない」というご相談を何件もいただきます。
それぞれに原因が異なるのですが、多く見受けられる代表的なものが「伝えるべきことを伝えていない」ということ。

今回、そのことを少し考えてみたいと思います。

 

「お客様に知ってもらう」には2つある

 

サイトからお問い合わせがないという時の原因は、大きく分けて「2つの原因」から構成されます。

一つ目は、「サイトへの訪問がない(少ない)」ということ。
どんなに素晴らしいホームページがそこにあったとしても、その存在に気づいてもらえなければ始まりません。
もう少し詳しく言えば、気付いてもらうのは誰でもいいわけではなく、「お客さんに成りえる人」でなくてはいけません。

 

二つ目は、「サイトを見ても(訪問者にとっての)情報がない」ということ。
せっかくサイトに訪問していただいても、「これは問い合わせしないといけない!」と思っていただけるような情報が掲載されていなければお問い合わせにはつながりません。

 

この2つは、それぞれ共に、または両方を一緒にしても、「お客様に知ってもらう」という言葉として表現されるややこしいもので、「我が社の売上げを伸ばすには、もっと多くのお客様に商品のことを知ってもらわないといけない」と言う時、この2つの区別なく一緒なものとして扱われてしまいます。

 

「お客様に知ってもらう」の落とし穴

 

お客様に知ってもらおうとした時、ほとんどの場合「お客様に向けた情報を増やす」という行為をすることになります。
例えば、SEO対策をして検索からのユーザーを増やそうとしたり、SNSに情報を流す情報を多くしたり、オンライン広告を出稿したり…というのが代表的な行為です。これらの行為は、お客様に知ってもらうという面では正しい行為だと思います(もちろん、他に可能なことは色々あります)。

ですが私のところには、このようなご相談が届きます。

 

  • 広告代理店からGoogleへの広告出稿を薦められてやってみたのですが、売り上げにつながらないんです。
    キーワードの選び方や予算のかけ方がいけないのかしら…?
    ランディングページがいけないのかしら…?

  • SEO対策の業者に相談したら、毎日ブログ記事を書くと検索からの流入が増えて売上げが上がると言われました。
    そこでその業者の指導のもとに記事を毎日書いてみたのですが、どうも問合わせ数が伸びているようには思えません。

  • 友人からFacebook広告が効率がいいと聞いてやってみましたが、どうもうまくいっているのかわかりません…。

 

これらのご相談は、どれも「お客様に知ってもらう」ということに、2つの要素があることを知らずに、または意識せずになされていることが原因です。

この2つを区別できていないことに加えて、さらに2つのことが追い打ちをかけて事態が悪化していきます。

一つは、従来型の紙媒体を中心にした広告営業。「この無料冊子は多くの方が見ています。この枠に広告出したらたくさんの反応があるはずです!」や、広告を出して反応が無かったら「まだ露出量が足りないだけです。継続的に枠をおさえてもっと多くの方に伝わるようにしましょう!」と言われたり…。

もう一つは、ご自身で「ネット集客」についてお調べになり「あの手法がいいらしい!」というとあっちに行き、「この手法の方がいいらしい!」というとこっちに行ったりと、勉強したことがかえって間違った結果を招いてしまったり…。

 

こういう説明の方がわかりやすい方もいるかもしれません。

ネット上の情報でも、書籍でも、「ネット集客」「オンライン・マーケティング」「この方法で集客!」などのたくさんの情報があふれていますが、そのほぼすべて、「サイトへの訪問がない(少ない)」に対する行為の内容なのです。もちろん、会社にかかってくる営業の電話もそうです。

インターネットが生れる前の昭和の表現をすると、「お店の前までお客様を連れてくる」という行為、これです。

不思議なことに、圧倒的多くの方がこの行為ばかりに気を取られてしまっていて、この行為されすれば売り上げが上がるという認識になってしまっているのです。これこそが、多くの方が陥っている落とし穴に他なりません。

  

 

「存在に気づいてもらう」と「自分を知ってもらう」

 

わかりやすい話を進めるために、 ここで「お客様に知ってもらう」の2つの要素を、次のような2つに明確に分けておきましょう。

  • 「サイトへの訪問がない(少ない)」ことに対応する行為 → 存在に気づいてもらう

  •  「サイトを見ても(訪問者にとっての)情報がない」ことに対応する行為 → 自分を知ってもらう

 

このように分類するとわかってもらえると思います。
SEOも広告も 、自分を知ってもらうための行為ではありません。
そもそも自社のことを知らない人に、「こんな会社があるんですよ!」ということに「気付いてもらう」ために行うものです。

 

 

「伝えるべきこと」とは

 

「サイトからお問い合わせがない」「リニューアルしたのに効果が見られない」とご相談をいただき、そのホームページなどを拝見すると、その多くの場合、「伝えるべきこと」が伝えられていないという課題に行きつきます。

この課題は「存在に気付いてもらう」の領域ではなく、「自分を知ってもらう」の領域の話です。

 

先ほど少しお話ししましたように「存在に気付いてもらう」の領域には、たくさんのサービスがありますし、ネット上や書籍にたくさんの情報があふれています。この領域にたくさんのサービスと情報があるのはどうしてかというと、簡単に言うと、そのサービス提供をしている会社、情報提供をしている会社が儲かるからに他なりません。これらの情報だけを見ていると、多くの人に存在に気づいてもらいさえすればお客さんが増え、お問い合わせが増えると勘違いしてしまいそうですが、実際はそうではありません。

 

それよりも(特に地方の企業やお店にとって)大切だと私が思うのは、

  • どうして私たちはこのサービスを提供しているのか
  • どうして私たちはこの商品を提供しているのか
  • このサービス(商品)は他のものと何がどう違うのか
  • それを購入することで、どんな素晴らしい未来が待っているのか

という「伝えるべきごと」をしっかりと伝えるということです。

「そんなこと言われなくても、商品の紹介を掲載しているし、会社の情報も掲載しているよ」という声が聞こえてきそうですが、いやいやそれが、圧倒的なケースで何も説明されていなかったり、圧倒的に不十分だったり、お客様視線ではなく自社視点での紹介だったりするのです。極端な話、何ページも情報があるのに「住宅のリフォーム店です。リフォームのこと何でもご相談ください」以外のことが掲載されてないケースすらあります。

 

実はこの「伝えるべきことをしっかり伝える」ということ、私は、地方だからこそとても大切なことだと考えています。

例えば地方のお店の場合、都会・都市部のお店のようにひっきりなしに店の前を人が歩いていて、どうやってお店の中にその方々を招き入れるかを考える環境とは大きく異なります。言ってみれば、「わざわざ、このために来ていただく」(時には山の奥まで…)という発想がベースになります。

同じように中小企業でも、大企業のような企業ブランドだけで勝負するわけでありませんから、自社が得意とする領域について、他と何がどう違うのかをしっかりと伝え理解していただかないかぎりスタートラインには立てません。

 

そもそも、皆さんが会社やお店のホームページを作ったのは「ホームページを通じてお客様を得る」ためのはずです。
それなのに、ホームページにお客さまに「伝えるべきこと」が掲載されていない、掲載されていないことで問い合わせがなかったり、効果がないのだとすると、ホームページを作った意味がない…ということに他なりません。

 

一方で、そのようなホームページ上の課題を抱えておきながら、社長や経営者の方に「どうしてこの会社を始めようとしたんですか?」や「どうしてこのサービスを始めようとしたんですか?」とうかがうと、ものすごい熱い想いやこだわり、商品やサービスに込めた想いをお話ししてくださいます。
地方であればあるほど、この傾向が高くなります。

「どうしてそんな大切なこと、お客様に一番知っていただきたいことをホームページに載せないんですか!」
会話の最後はたいてい、このようになってしまいます。

 

私のところにご相談いただく会社やお店は、なぜか皆、商品・サービスに対するこだわりと他ではマネできない特徴、そして、そしなければいけない経営者の熱いを持っていらっしゃる方ばかり。私はこのようなお客様と出会えることをとても幸運なことだと思っていますし、こういう方が地方にたくさんいらっしゃることを誇りに思っています。

そんな素晴らしい商品やサービスを持っていながら、「伝えるべきこと」を伝えていないばかりに、それを必要としているお客様に出会えていないというのではいけません。ぜひ、「我が社がお客様に伝えないといけないことは何なのか」「それは伝えられているのか」をもう一度しっかりと確認していただきたいと思います。

  

 次回をお楽しみに!

 


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