今回は、以下の4本を通して「集客・SNS・説明の切り口・コンテンツ活用」について考えます。
- ワンオペでここまでできる「集客の考え方」
- Instagram が直面している「信頼の変化」
- 変更が求められる「説明の仕方」
- 1つのコンテンツを他媒体で使い尽くす
ワンオペでここまでできる「集客の考え方」

指一本で業界ナンバーワンに――工場長のひとりマーケティング(アドタイ)
空冷ワーゲン専門ショップ ガレージタイプワンの工場長が、ひとりでWebサイトとSNSを運用し、問い合わせゼロの状態から業界トップクラスの集客を実現した実例を紹介した記事です。
雑誌広告が次々と姿を消し、3か月間まったく問い合わせが来なくなったことをきっかけに、Webサイトのリニューアル、ブログ、Instagramでの情報発信を独学で始め、広告に頼らず、制作途中の様子を見せる、数字を見ながら改善する、毎日発信を続けるという積み重ねによって、全国、さらには海外からも来店がある状態に変わっていった過程が描かれています。
この記事で特に印象的なのは、次の点です。
- ページビューやアクセス数だけで判断せず、実際の反応をもとに改善を続けていること。「これは売れるはず」という感覚と、数字の結果が違うことを前提に、客観的に判断しています。
- 媒体を5つに絞り、Webサイト、ブログ、Instagram、Facebook、YouTubeをそれぞれの役割を明確にして使い分けていること。さらに、目的がブレると判断し、X や TikTok はあえてやらない選択をしています。
- 発信を続けるために「仕組み化」していること。「営業日は必ずInstagramを更新する」というルールを決め、気分やモチベーションに左右されない運用をしているとのこと。
- ネタは接客の中にすべてあるという考え方のもと、お客さんから何度も聞かれる質問を、そのままブログや発信のネタにしています。
- 「発信をやめないこと」。AIの誤った情報を見つけたら、現場の知識で正しい情報を発信し直すなど、「現場の人間だからこそできる発信」を続けています。
地方の中小企業にとって、この事例はとても現実的かつ参考になります。
特別なマーケティングチームも、派手な広告費も出てきません。やっているのは、
- 媒体を増やさない
- 役割をはっきり決める
- 数字を冷静に見る
- 更新を仕組みにする
- 現場で出てくる疑問を、そのまま発信する
この積み重ねで、地方のお店や中小企業が今日から始められることばかりです。
また、よく経営者から聞くこと多い「ネタがない」「続かない」という悩みは、実はお客さんとの会話を拾えていないだけかもしれないことに気づかせてくれます。
そして何より、発信を止めてしまった瞬間に、選ばれる理由は消えてしまうという、大切なことをこの事例は教えてくれます。
このように、地方の中小企業が、無理なく、背伸びせず、それでも確実に信頼を積み重ねていくためのヒントが詰まった記事です。情報発信に悩んでいる方ほど、ぜひ一度、読んでみてください。Check it!
Instagram が直面している「信頼の変化」

The key risk Instagram faces(mosseri)
Instagramを率いるAdam Mosseri氏が、「インスタグラム自身も、時代の大きな変化に直面している」という内容の投稿を行い、話題になっています。
※一部のオンラインメディアでは、この投稿内容を「インスタ映えはもう終わり」「これからはリアルな写真や動画が正解」とも取れるようなものとして紹介していますが、その解釈には少し注意が必要です。この投稿は、「どういう投稿をすれば伸びるか」という運用ノウハウの話ではありません。
英文の投稿ですが、日本語訳すると以下の通りです。
Instagramが抱えているいちばんのリスクは、世の中の変化があまりに速く、プラットフォームがそのスピードについていけなくなることだ。2026年に向けて大きく変わろうとしているのは、「本物らしさ」が誰でも、いくらでも再現できるものになってきている、という点だ。
クリエイターの価値だったもの──リアルであること、人とつながること、偽れなかった“声”を持つこと──は、今や適切なツールさえあれば誰でも手に入れられるようになった。ディープフェイクはどんどん精度を上げ、AIは、実際に撮影されたものと見分けがつかない写真や動画を作り出している。
インターネットによって、権力は組織から個人へと移った。説得力のあるアイデアさえあれば、誰でもオーディエンスに届くようになったからだ。情報を届けるコストは、ほぼゼロになった。
出版社やブランドではなく、「個人」こそが、人が作るコンテンツに大きな価値と市場があることを証明してきた。組織に対する信頼は過去最低レベルに落ち込み、私たちは、信頼できて尊敬できるクリエイターが自分で撮ったコンテンツに目を向けるようになった。
私たちはよく「AIスロップ(雑なAIコンテンツ)」を嘆くけれど、実際には素晴らしいAIコンテンツもたくさんある。ただ、クオリティの高いAIコンテンツにも独特の匂いがある。ツルツルしすぎていて、肌がきれいすぎる。でもそれも変わっていく。もっと現実味のあるAIコンテンツが増えていくはずだ。
本物らしさは、今や希少なものになりつつある。だからこそ、クリエイターのコンテンツへの需要は減るどころか、むしろ増している。評価基準は「作れるかどうか」から、「それは“あなただから”作れたものか?」へと移っている。
25歳未満の人を除けば、Instagramと聞いて思い浮かべるのは、盛った写真、映えメイク、トーンアップした肌、美しい風景を四角く切り取ったフィードだと思う。でも、ああいうフィードはもう終わっている。人々は、プライベートな瞬間をフィードに投稿するのを、何年も前からやめている。
今、共有の中心になっているのはDMだ。ピンぼけの写真、手ブレした動画で、何でもない日常を切り取って送る。靴を撮ったり、カメラ目線じゃない瞬間をこっそり撮ったり。こうした“盛らない、生の感じ”の美意識は、一般公開のコンテンツやアートの世界にも広がっている。
それなのに、カメラメーカーは間違った美意識に賭け続けている。2015年のプロ写真家みたいに、誰でも撮れることを競ってきた。でも今は、完璧な写真ならAIでいくらでも作れる。だからこそ、「プロっぽさ」そのものが、AIっぽさのサインになってしまっている。
映える写真は、安く作れて、正直もう見飽きられている。人々が求めているのは、もっとリアルに感じられるコンテンツだ。感度の高いクリエイターほど、あえて演出しない、盛らない写真を選んでいる。すべてが完璧にできる世界では、不完全さこそが価値になる。
RAWNESS(生っぽさ)は、もはや単なる美的な好みではない。それは「本物である証」であり、防御でもある。「完璧じゃないからこそ、これは本当に起きたことなんだ」と伝える手段になっている。
そう遠くないうちに、AIはどんな美的スタイルでも作れるようになる。本物っぽい“不完全さ”さえも再現できるようになるだろう。そうなったとき、私たちは「何が言われているか」よりも、「誰が言っているか」に目を向けざるを得なくなる。
人生の大半において、私は写真や動画は、実際に起きた出来事をだいたい正確に写しているものだと思えていた。でも、それはもう通用しない。この変化に人々が慣れるには、何年もかかるだろう。
これから私たちは、「見たものは本物だ」と思い込む状態から、「まず疑う」姿勢へと移っていく。誰が、なぜそれを共有しているのかを見るようになる。この変化は居心地が悪い。人間は本能的に、自分の目を信じるようにできているからだ。
Instagramのようなプラットフォームは、AIコンテンツを見分ける取り組みをきちんとやるだろう。ただ、AIが進化するにつれて、その見分けはどんどん難しくなる。偽物を探すより、本物に「これは本物だ」と印をつける方が現実的になる。
カメラメーカーは、撮影時に画像へ暗号的な署名を行い、真正性をたどれる仕組み(チェーン・オブ・カストディ)を作るようになる。
ラベル表示だけでは不十分だ。人が判断できるように、どんなアカウントがそのコンテンツを出しているのか、もっと多くの文脈情報を表に出す必要がある。そのアカウントの背後にいるのは誰なのか。
無限にコンテンツがあり、同時に無限に疑われる世界では、本物であり続け、透明で、一貫した姿勢を保てるクリエイターが、信頼を勝ち取り、際立つ存在になる。
私たちは、最高のクリエイティブツールを作る必要がある。AI生成コンテンツにはラベルを付け、本物のコンテンツは検証する。誰が投稿しているのかという信頼性のシグナルを示し、オリジナリティを評価する仕組みを磨き続ける。
Instagramは、さまざまな面で、しかもスピード感を持って進化していかなければならない。
この投稿で指摘されているのは、AIの画像・動画生成が進んだことで、映える写真、美しい風景、プロっぽい動画だけでなく、一見リアルに見える写真や動画まで、AIで簡単に作れるようになってしまった、という現実です。これまでは、写真や動画は基本的に「本当に起きたことを写しているもの」として信じられてきました。しかしこれからは、「見たものは本物」とは限らず、「まず疑う」ことが前提になっていく。だからこそ、投稿の見た目や雰囲気ではなく、「誰が、なぜ、それを投稿しているのか」が、より重視されるようになる。そして実は、Instagramというプラットフォーム自身も、その判断の難しさに強い危機感を持っている、という点が、この投稿の一番のポイントです。
私たち中小企業は、インスタグラム(プラットフォーム)の方針変更に右往左往しながら、その中でお客さんに情報提供しようとしているわけですが、そのプラットフォーム自身も、次々に登場する技術革新に翻弄されながら、そこに危機感を募らせていることがわかります。
一方で、私たち中小企業の多くは、インフルエンサーのようにコンテンツの再生数やインプレッション自体でマネタイズしているわけではありません。多くの場合、「自社のサービスを知ってもらう」「企業としての姿勢や考え方を伝える」「安心して問い合わせてもらう」ために、SNSを使っているはずです。
そう考えると、プラットフォームの方針はこれからもどんどん変わり続けますが、私たちにますます大切になるのは、「映えるかどうか」や「流行っている表現かどうか」よりも、「実在するお店・会社として」「お客さん目線で」「伝えるべき情報を」ブレずに出し続けているかどうかだと思います。そんな大きな構造を見ながら読んでみてください。Check it!
変更が求められる「説明の仕方」

2026年にコピーライティングが新たなスーパーパワーとなる理由(Search Engine Land)
コピーライティングが再び重要な力をもってくることが解説されている記事です。
気を付けたいのは、この記事でいう「コピーライティング」とは、キャッチコピーをうまく作る話ではありません。そうではなく、「会社紹介」や「商品紹介」の説明文のことです。
GoogleのAI Overviewsや会話型検索によって、「調べるための情報」は検索結果の中で完結するようになり、多くの情報系コンテンツはクリックされなくなってきています。その結果、トラフィックを集めること自体を目的としたSEOは成り立たなくなり、「説得」「ポジショニング」「わかりやすさ」がこれまで以上に重要になっている、というのが記事の全体像です。
この記事で繰り返し語られているのは、検索の考え方が「キーワード」から「問題」へと変わった点です。
従来の検索では、ユーザーは自分の悩みをキーワードに翻訳して検索していました。しかし今は、(キーワードではなく)会話型の相談としてAIに入力され、AIがユーザーの状況や背景を理解し、最適な解決策を「選ぶ」側になっています。そのため、「何位に表示されるか」ではなく、どんな問題の解決策として認識されるかが重要だと説明されています。
この記事から読み取れる、地方の中小企業にとって大切な点は、次のことです。
私たちは、自分自身を紹介・説明する際に、無意識のうちに「私たちは何者か」という説明をしています。
・〇〇市の工務店
・〇〇県の税理士
・〇〇業をやっています
でも、「調べられ方」が変わってきている現在、求められているのはそこではありません。
記事の中では、こんな例が出てきます。
あなたは「マンチェスターの弁護士」ではない。
あなたは「XをYで解決する弁護士」であり、「Yという問題を抱えたX社のための弁護士」である。
つまり、「何をしている会社か」ではなく、「どんな困りごとを、どんな人のために解決しているのか」から説明する必要がある、ということです。
私たちは長い間、検索エンジンに合わせた説明の仕方に慣れてきました。この記事が示していることは、この視点の切り替えに他なりません。AIや検索の変化にどう対応すべきかを、テクニックではなく「伝え方の根本」から整理してくれる記事です。ぜひ一度、読んでみてください。Check it!
1つのコンテンツを他媒体で使い尽くす

ポッドキャストの未来を形作る10の重要トレンド──業界のプロが語る戦略(Forbes)
ポッドキャスト業界のプロたちが、現在起きている変化と戦略を紹介してくれています。
まず注意したいのは、今のポッドキャストはラジオのような音声番組ではなく、話している様子を映像でも収録しているものが圧倒的だということ。それを前提に読んでください。
記事では、ポッドキャストがもはや音声配信アプリの中だけで完結するメディアではなく、短尺動画、ソーシャル、ライブ体験などを横断するコンテンツ設計になっていることがわかります。競争が激しくなり、注意力が短くなる中で、成功の鍵は「どれだけ多くのチャネルで展開できるか」「長期的なエンゲージメントをどう維持するか」に移っているとしています。
記事全体を通して共通しているポイントは、次の点です。
- ポッドキャストは単体コンテンツではなく、最初から再利用・展開を前提に作られているということ。1回の収録から、短尺動画クリップ、ソーシャル投稿、記事、PR素材へと展開されることが前提で作られています。
- 発見の起点が短尺クリップになっている点。10〜20秒の縦型動画やクリップを通じて番組を知り、そこから本編につながる流れが主流になっています。
- ライブ配信やリアルタイムQ&Aなど、視聴者とのコミュニケーションを図る双方向性を持たせた体験も重視されています。
- 情報を伝えるだけではなく、エンターテインメント性やストーリー性、制作品質が差別化の要素になっていることも強調されています。
「うちはポッドキャストやってないから、これは関係ないかな…」と思わないでください。
「ポッドキャスト」と書かれていますが、とても大切なことが指摘されています。
それは、「ポッドキャストとして配信すること」そのものではなく、そのコンテンツを、他の媒体でどう使うか、どう相乗効果を生むかという設計です。
1つのコンテンツを、「短尺動画」「SNS」「ブログ」「営業資料」などに展開していく。この考え方は、ポッドキャストに限らず、あらゆる情報発信にそのまま当てはまります。
地方の中小企業こそ、毎回ゼロから作るのではなく、一度作ったものをどう活かし切るかという視点が重要だと、この記事は教えてくれます。そんな視点でぜひご覧になってみください。Check it!
地方・中小企業にとっての読みどころ
今回の4本の記事から見えてくるのは、「変化する情報と、どう向き合うか」ということ。
地方の中小企業は、人も時間も限られる中で、すべての流行や新しい手法を追うことはできません。だからこそ大切なのは、「何をやるか」以上に、「何に振り回されないか」を自分たちで決めることです。
ひとりで集客を回している事例は、手法を増やすのではなく、媒体を絞り、役割を決め、数字を冷静に見て、発信を仕組みにするという「設計」の重要性を教えてくれます。Instagramや検索の変化からは、誰かの正解をそのままなぞることが、以前より難しくなっている現実が見えてきます。
ポイントは、作ることよりも、その前段階の「どう伝え、どう使い続けるか」の設計です。忙しい日々の中でも、考え方だけは立ち止まって整える。そのヒントが詰まった4本です。
次回をお楽しみに!
この記事の内容は、ポッドキャストでもわかりやすく解説しています。
通勤や作業の合間に、耳で聴いて理解を整理したい方におすすめです。ぜひ合わせてどうぞ♪
🎧 ポッドキャストで聴く:この記事のポイント
情報発信を見直すきっかけに
この記事を読んで「うちの情報発信もそろそろ見直す時期かも」と感じた方へ
私たちビーチューでは、地方・中小企業のための 「Web活用・情報発信 無料相談」 を行っています
AI検索やLocal3.0の流れを踏まえながら、御社のサイトや発信の現状を一緒に整理し、次に取るべき一歩 を明確にしていきます
営業や勧誘は一切ありません。お気軽にどうぞ
こちらの記事もおすすめ!
ネット活用のヒントを配信中!
ネット活用のヒントを check!!
- 地方・中小企業の皆様 …… 今、目の前にあるチャンス! & 売れる仕組み作り
- 自治体サイト担当者様 …… 自治体ホームページの課題と可能性を知る
- 観光に関わる皆様 …… ネット活用の "もったいない!" 事例を紹介





