今回は、以下の4本を通して「お客さんに選ばれる構造」について考えます。
- 生成AI時代での「SEO」の本質
- 「急増」の意味を、正しく読み解く
- お店は Google にどう理解されているのか
- お客さんに「選ばれる」ための設計
生成AI時代での「SEO」の本質

Google検索はもう「ウェブサイト」を見ない? 生成AI時代に正しく理解すべきSEOの本質(Web担)
AI Overviewsの増加、YouTubeの引用拡大、ゼロクリック問題、ChatGPTとGoogle検索の併用実態、そしてSEOとGEOの今後についての対談がまとめられています。
対談ではまず、Google検索のAI Overviewsが急増し、その中でYouTubeが最も多く参照されるようになっていることが紹介されています。また、情報収集型の検索でAIOが出やすく、公共機関サイトや医療・金融分野など、信頼性の高いサイトが選ばれやすい点も示されています。
ゼロクリックについては、AIOが原因というより、従来から続く傾向の延長だと説明されています。さらに、AI生成コンテンツだけでは評価されにくく、人が関与して品質を担保する「ヒューマン・イン・ザ・ループ」が重要だと語られています。
また、ChatGPTの利用が増えてもGoogle検索は減らず、両方を使い分けているユーザーが多いというデータも紹介されています。
記事をご覧いただくと、SEOやAI検索を取り巻く大きな構造が理解できます。
結局のところ「SEOがなくなることはない」ですし、加えてAI検索という「新しい情報の扱い方」への対応も必要になってくるという流れです。そして、商品紹介だけでなく、使い方、選び方、よくある質問、業界解説といった「調べている人向けの情報」を丁寧に出していくということ。加えて、AIで量産しただけのコンテンツではなく、現場の経験や事例をもとに、人が責任を持って整理した情報が重要になってくるということ。
これらはこの場で何度も指摘してたことと重なりますが、地方の中小企業がこれからの情報発信を考えるうえで、しっかり目を通しておきたい記事です。ぜひご一読ください。Check it!
「急増」の意味を、正しく読み解く

アドビ調査:AI経由のトラフィックが全業界で急増、最大の伸びは小売業界(アドビ)
2025年ホリデーシーズンにおける生成AI経由でのトラフィックについての調査結果が紹介されています。
それによると
- 生成AI経由の流入は、小売業界で前年比693%増、サイバーマンデーでは670%増。
- AI経由の訪問は他経路よりコンバージョン率が31%高く、直帰率が低く、滞在時間が長い。
- 消費者調査では、AIを信頼していると答えた人が47%、AIが示すリンクに満足している人が64%、購入の自信が高まったと答えた人が65%という結果。
一方で、「利用者の母数はまだ小さい」との注記も含まれています。
このような調査結果の記述と、タイトルの「AI経由のトラフィックが全業界で急増」ということを見ると、生成AI経由で商品を購入する人かとてもたくさんいて、それが主流であるかのように思えてしまいますが、ここには「大きな落とし穴」があります。
調査では、前年比で約7倍に増えたという記述はあるのですが、全トラフィックのうち生成AI経由が何パーセントだったのか…という調査結果は紹介されていません。当然ですが、アドビはその数値を知っているのですがあえてその数値は紹介せずに、注釈として「母数はまだ小さい」と書いているのみです。
例えば、前年、全体の 0.5%の人がAI経由だったとしたら、今年はその8倍である4%の人がAI経由ということになります。全体からするとわずか 4%にすぎませんが、それで「前年比で8倍に急増!」という表現することはできます。
このように、タイトルや調査結果の数値だけを見ると「AIが主流」であるかのように見えてしまうのですが、実際にはそうではありません。厳密にはタイトルが嘘を言っているわけではありませんが、私たちがこれらの調査結果を見る時には、見出しのインパクトにとらわれることなく、実際がどうなのかを「批判的に」見ていく必要があります。
実際、1年前、アドビは同等の調査で「依然として有料検索やEメールなどのチャネルが生成AIより多くのトラフィックを生み出しているものの」とした上で、「昨年のホリデーシーズン中のAI搭載チャットボットを介したトラフィックは前年同期から1300%増加」とレポートしています。(記事はこちら)
つまり、この記事は、見出しが印象付けてしまうような「AIが主流になった」という内容ではなく、「伸び方と質に変化の兆しがある」ということを示していると読むのが妥当です。
このように「生成AI経由の商品購入の変化」「データの読み取り方」の2つを頭に入れながら、記事を読んでみてください。Check it!
お店は Google にどう理解されているのか

ローカルSEOのゲートキーパー:Googleがあなたのエンティティをどのように定義するか(Search Engine Land)
ローカル検索で表示されるかどうかは、レビュー数や距離といった順位要因の前に、Googleがその事業者をどんな業態の存在として理解しているかで決まる、ということを解説してくれています。
Googleはまず、店名やGoogleビジネスプロフィールのカテゴリをもとに、検索クエリに対して「適格な候補かどうか」を判断し、その後にランキング要因を適用するとのこと。この説明だけだとなかなか理解しづらいですが、紹介されている事例を見ると、「なるほど…そういう仕組みなのか…」と理解できます。
- 子ども向けダンス教室は「限定検索」では出るが「広い検索」では出ない
- 「スムージー」を含む店名のカフェは、飲食全体の検索に出にくい
- 主カテゴリが「steakhouse」だと、提供しているメニューがハラールであっても、「ハラール」の検索では出ない
-
「Tropical Sips & Smoothies」という店名のカフェは、スムージー検索では表示されやすいが「近くのランチ」のような広い検索では出にくい
このように、自社の「店名」や「主カテゴリ」が、本当に狙いたい検索と噛み合っているのかということがポイントになります。そういう意味では(すでに後の祭りかもしれませんが)、お店の名前をどのようにするのかということもローカル検索にはかかわってくることがわかります。
ローカル検索で「なぜ表示されないのか」を、Googleの仕組みの側から整理した記事です。ぜひご覧いただいて、自社がどのように定義されているかを確認してみてはいかがでしょう。Check it!
お客さんに「選ばれる」ための設計

コーヒーのサブスク「PostCoffee」が登録者10万人に成長するまでの舞台裏を紹介してくれています。
立ち上げ当初は苦戦していたそうですが、ユーザーが「どの豆を選べばいいかわからない」と感じていた点に着目し、質問形式の「診断コンテンツ」を導入したことが成長の転機になったとのこと。焙煎度のような専門用語を直接聞くのではなく、食べ物の好みなど直感的に答えられる設問に変え、Web上で診断体験ができるようにしたことで、登録のハードルが下がったのだそうです。
「どうも新規のお客さんが集まらない…」という時、多くの人に知ってもらうことが必要だと(商品やサービスという足元ではなく)「広告出稿」を考えるケースが多いかと思います。ですがここで紹介されているのは、集客を強化したという話ではなく、利用前から利用後までの体験を細かく観察し、ボトルネックを改善するという積み重ねです。
他にも、当初はコーヒー豆に同梱していた「簡易ドリッパー」が実は、コーヒーを飲むというお客さんの体験を悪化させていたことが判明し、同封をやめたという話や、立派すぎる箱が「捨てにくさ」につながり、それが解約の心理的ハードルになっていたという話など、中小企業のあらゆる取り組みにおいて参考になる事例がたくさん出てきます。
事例を見るにあたりひとつ注意していただきたいのは、例えば、PostCoffeeでは「診断コンテンツ」を導入したことが転機になったと紹介しましたが、「では、うちも診断コンテンツを入れよう!」と表面的な部分だけを真似するのを避けるということです。見抜いてほしいのは、「診断コンテンツ」という仕組みではなくて、その裏にある本質的なこと。つまり、「専門家の当たり前の判断軸」を、初心者であるお客さんが持っていないがために「選べない」「選べないからやめる」という構造です。診断コンテンツは、この構造をブレークスルーするための方法の一つにすぎません。診断でなくても、スタッフが丁寧に説明するとか、選べるものだけに限定するとか、いくつもの手法が考えられます。
そしてこの「初心者であるお客さんは、判断軸がわからないがために選べない…」という構造は、ありとあらゆる業界に関係してくるものです。このように「診断コンテンツ」という仕組みの背景を読み解くことで、より多くのヒントが見えてくるのではないかと思います。
※ちなみに、「初心者であるお客さんは、判断軸がわからないがために選べない…」というのと同じ構造で、「初心者であるお客さんは、判断軸がわからないがために、現状をそもそも "問題" だと認識していない…」というものもあります。健康や自治体サービスなどでよく見られる構造ですね。d(^_^)
今回の記事は、売れないときに、広告費を増やす・露出を増やすといった方向にだけ進むのではなく、商品の出し方や説明の仕方、梱包・同梱物まで含めて「お客さんにフィットしているか」を徹底的に見直してみるということに気づかせてくれます。そうした視点で読むと中小企業にとって非常に示唆の多い事例だと思います。Check it!
地方・中小企業にとっての読みどころ
今回の4本の記事から浮かび上がってくるのは、「AI時代にどうするか」という話よりも、その前に 「自社はきちんと理解されているか」「お客さんは迷わず選べる状態か」 という足元の問いです。検索の仕組みが変わっても、本当に問われているのは、この会社は「何屋さん」なのか、「誰の、どんな悩みを解決しているのか」ということ。初めて来た人が安心できる、安心して選べる材料がそろっているのかという点です。
また、ネットの業界でよく見られるような「前年比○倍」といった表現を見たときには、翻弄されることなく、「経営判断を変えるレベルなのか」「売りたいがための数字のマジックなのか」と立ち止まって考える姿勢が欠かせません。
自社サイトやSNS の情報、さらには商品・サービスの提供方法を見つめ直し、「お客さんに選ばれる構造」になっているのかを改めて考える機会にしていただきたいと思います。そんな問いを持って読むと、今回の4本は実務にかなり効くはずです。d(^_^)
次回をお楽しみに!
この記事の内容は、ポッドキャストでもわかりやすく解説しています。
通勤や作業の合間に、耳で聴いて理解を整理したい方におすすめです。ぜひ合わせてどうぞ♪
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