地方や中小企業のネット活用に役立つ記事をピックアップして紹介しています。
みなさんの仕事の現場でお役立てください
今回は以下の4本です
- TikTok Shop日本上陸が変える「EC勢力図」
- コスメSNS戦略から知る、地方・中小企業のSNSへの取り組み方
- SEOは今、「再発明」の時期
- ローカル検索の新ルール「Local 3.0」
TikTok Shop日本上陸が変える「EC勢力図」
億売上も夢ではない?TikTok Shopリリースとクリエイターの個性活用で変わる日本のEC勢力図(ECzine)
TikTok内で動画を見ながらそのまま購入できる「TikTok Shop」が日本に上陸することが紹介されています。
これまで TikTok で商品を紹介した場合、商品購入には外部サイト(ECサイトや購入ページ)に利用者を誘導する必要があり、そこが大きなハードになっていました。ですがその移動が必要なくなり、動画の閲覧からそのままアプリ内で購入までが完結するようになります。記事に書いてあるように、まさに「TikTok内に新たなECモールが誕生」したような仕組みです。
記事に書かれているもう一つのポイントは、これまでのSNSが「フォロワードリブン」(フォロワー数に依存)であるのに対し、TikTokは「コンテンツドリブン」だということ。ユーザーの閲覧履歴や関心に基づいてコンテンツがレコメンドされるため、フォロワー数に関わらず「おもしろさ」や「学び・発見」があるコンテンツが多く閲覧されるという特徴を指します。つまり、この特性を活かすことで、地方の中小企業や新興ブランドにも、予算規模やフォロワー数に関わらずチャンスが巡ってくる可能性があるということ(もちろん、そこには激しい争いがあるわけですが…)。実際、欧米では、この TikTok Shopでバズった動画をきっかけに数百万から億単位の売上が生まれた事例もあるとのこと。
人を動かす事業ではなく、ものを動かす事業をしている地方の会社には大きなチャンスがあります。
詳しくはぜひ記事をご覧ください。Check it!
コスメSNS戦略から知る、地方・中小企業のSNSへの取り組み方
コスメのSNS戦略、本当にそのブランドに合っていますか?UGC創出から考える活用術(MarkeZine)
コスメ業界におけるSNS活用のヒントが詳しく紹介されています。
「当たり前」を見直し、ブランドごとの特性に応じたSNS戦略やUGC(ユーザー投稿)をどう生み出すかが重要とのこと。
特に3つのポイントが取り上げられています。
1つ目は、「流行っているSNSが正解とは限らない」ということ。
たとえば、Z世代向けの低価格商品ならXやTikTokが合う一方で、高価格帯ブランドはInstagramを利用した世界観重視が大事。商品の特性によって メディアや情報の出し方が異なる。
2つ目は、UGC(その商品に関する利用者やファンの投稿)を増やすには、あらかじめ「誰に投稿してほしいのか」を明確にする必要があるということ。
ただ話題になればいいのではなく、「実際に買った人」が自然に投稿したくなるような体験設計・コミュニケーション設計が必要。
3つ目は、UGC施策はSNS担当者だけでは難しいので、部署を越えた組織全体で設計しないといけない。
パッケージや接客など、投稿のきっかけはSNS外にもある。
この記事は大手のコスメブランド向けの話に見えるかもしれませんが、他の業種や地方・中小企業にとっても「自社らしい発信」や「買った人が自然と紹介したくなる体験」を見直すヒントに満ちています。SNSでうまく伝わらない、フォロワーが増えないと悩む中小企業こそ、「うちの商品・サービスに合ったSNSは何か?」「そのSNSで、誰に、何を伝えたいのか?」という視点を持つことが重要です。
さらに経営者目線で見れば、「若いから」とSNS担当者に丸投げするのではなく、日常の接客や商品設計そのものがSNSとつながっているという意識を持つことの大切さがわかる記事かと思います。Check it!
SEOは今まさに、再発明の時期にある
WixのSEO担当者・Crystal Carter氏へのインタビュー記事です。
検索が従来の「キーワードを入力して探す」行動から、AIがユーザーに合った情報を「提案」してくる体験へと変化していると指摘します。まるでTikTokやYouTubeのように、ユーザーごとに情報が「レコメンドされる検索」が進んでおり、検索体験はより「エージェンティック」(主体的に導かれる)なものへと進化しているとのこと。
この変化の中で、SEOに求められるのは「ランキングを上げること」ではなく、「本当に役立つ情報を、必要としている人に届けること」へとシフトしていると解説。Carter氏は「all killer, no filler(すべてが有益で、無駄なものがない)」という言葉で表現しながら、無意味なページや流入よりも「質の高い関係」が重要になると強調しています。つまり、過去のSEO手法では「とにかくアクセスを稼げばよい」「どんなページでも検索に引っかかればOK」という発想で大量のコンテンツが量産されていた時期があったが、しかし今は「その情報が本当に役に立つか」「文脈に合っているか」「ユーザーにとって意味があるか」という「関連性」と「品質」が重視されてきています。
さらに、検索結果に登場するかどうかは、従来の(Googleの検索)アルゴリズムではなく、LLM(大規模言語モデル)や推論モデル(=生成AIによる回答ロジック)に影響される場面も増えており、SEOは今まさに、再発明(reinvention)の時期にあると指摘しています。
このことを私なりに解釈すれば、これまで検索は「百科事典で正しい一つの答えを調べる」という行為の延長として捉えることが出来ましたが、AI検索の登場によって、「検索」という行為は「質問・相談」とほぼ同等の行為になり、「それぞれの人の立場・見方に合わせた答えが提示される」ようになる、そういうことに思えます。まだ日本には Googleの「AI mode」は上陸していませんが、日本でもサービス提供されることは確実です。そこから本格的に、ネット利用者による「検索」→「質問・相談」への大きな大きな変化が始まるはずです。同時にそれは、会社側からすると「どうやってお客さんに情報を届けるか」という本質的な問いに向き合うことになります。
そんな解釈も参考にしていただきながら、記事をご覧ください。SEOに詳しくない人にもぜひ読んでほしいインタビューです。Check it!
ローカル検索の新ルール「Local 3.0」
「ローカル検索」がどう変わってきて、今どこに向かおうとしているのかが、とても整理された形でまとめられています。
ローカル検索の移り変わりを、「Local 1.0」「Local 2.0」「Local 3.0」という3つの時代に区別し、今現在、「Local 3.0」の時代になっていると指摘しています。
概要だけ紹介すると以下のようになります。
Local 1.0:まずは「そこにある」ことを知らせる時代
お店や会社がGoogleマップに正確に載っていて、営業時間や電話番号などの基本情報が正しいことが重要。Googleビジネスプロフィールなどに登録し、「ここにありますよ」と伝える。口コミや評価がお店選びに影響。
Local 2.0:「どんなお店か」を伝えて、選ばれる時代
SNSや動画の登場により「載っていればOK」ではなく、「魅力的であること」が選ばれる基準となる。Instagramでおしゃれなカフェを見つけたり、YouTubeで紹介されたラーメン屋に行列ができるなど「お客さんの心に響く発信」が求められる。
Local 3.0:AIが「代わりに選ぶ」時代へ
私たちが直面しているのが、「お客さんが調べて選ぶのではなく、AIが代わりに選ぶ・推薦する」 というLocal 3.0のフェーズです。例えば、「この近くでおすすめのカフェは?」とAIに尋ねると、AIがおすすめのお店を推薦してくれる。
ここで重要なのは、「選ぶための情報をAIはどこから得ているか」という点です。
どんなにインスタに素敵な写真や動画をアップしてたくさんのイイネをもらったとしても、AIはそれを見るわけではありません。AIが見るのは「構造化されたデータ」「レビューの傾向」「そのお店が 意味的にどう理解されているか」といった情報です。
つまり、「人に伝える」だけでなく、「AIに理解させる」ための情報発信が必要となるのが、この Local 3.0 の時代です。
この記事の内容を紹介しながら、地方・中小企業の目線でどのように読み解いたらいいのかを当社のブログ記事にしてあります。
合わせてご覧いただければと思います。
AIに選ばれるお店になるには?「Local 3.0」で変わるローカル検索の新常識
英語版の記事ですが、元記事もぜひご覧になってみてください。Check it!
次回をお楽しみに!
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