地方や中小企業のネット活用に役立つ記事をピックアップして紹介しています。
みなさんの仕事の現場でお役立てください
今回は以下の4本です
- AIはSEOをどう変えるのか?
- Google 「AIモード」の展開とSEOの未来
- AI時代のローカルSEO
- AI Overviews と検索流入(国内調査)
AIはSEOをどう変えるのか?
AI時代のSEOは「終わる」のではなく、「変わる」。
そんなメッセージが伝わってくる記事をご紹介します。
この記事では、ChatGPTなどの生成AIの登場によって、人々の「検索」のあり方が大きく変わりつつあることが紹介されています。Google検索に加えて、AIチャットやSNS、音声アシスタントなど、検索行動が「複数の経路に分裂」しているとのこと。これへの対応として企業は、単にGoogleで上位表示を狙うだけでなく、より広い複数のチャネルで「信頼される情報」を発信する必要があると解説してくれています。
記事の中でいくつもの調査結果が示されていますが、その中で特に注目したいのは、次の3つです。
- 82%の消費者が「AIによる検索は役立つ」と回答
- 80%の消費者が「AI生成のコンテンツを信頼できる」と感じている
- マーケターの93%が「AIで業務効率が上がった」と実感しながら、その成果を戦略に活かしきれていない
つまり、消費者はAIの利用に慣れ始め積極的な利用へと動いている一方で、企業側の対応が追いついていないという現状が浮き彫りになっています。
地方の中小企業にとって、この記事をどのように読み解けばいいでしょうか?
まずは、(お客さんと出会う場である)「検索」という行為を考えた時に、「情報発信の場が、Googleの中だけではなくなっている」ということです。
それは、「インスタグラムやYoutube の利用者も多いんだから、Google検索ではなく、インスタグラムやYoutube での検索も考えろってことだよね!」というここ最近のトレンドのことではありません。この記事が指摘しようとしていることは、そのさらに先です。消費者(お客さん)が積極的に「 AI に質問する」時代において、ホームページやSNSに掲載している情報がAIに引用されることを考えれば、「どこで発信するか」以上に、「どんな言葉で、どれだけ信頼できる形で出しているか」が問われているということです。
記事では、AI検索時代において企業が意識すべきは「信頼される独自情報」の整備であり、専門家の声や自社オリジナルデータの活用が重要だと強調されています。
SEOは「死んだ」のではなく、「分裂し、拡張し、進化している」という分析と解説は、日本の地方・中小企業にとっても大きな示唆があります。
英文のかなり長い記事ですが、翻訳機能を利用してぜひご一読ください。Check it!
Google 「AIモード」の展開とSEOの未来
将来のGoogle検索の展開とSEOの未来
The future of SEO as the future Google Search rolls out(Search Engine Land)
Googleの検索が、今、これまでで最も大きく変わろうとしています。
この記事では、Googleが発表した「AIモード」や「AI Overviews」といった新しい検索体験が、SEOにどんな影響を与えるかを詳しく解説しています。
- 「AI Overviews」はすでに日本国内でも導入されている、検索結果の要約機能です。
- 「AIモード」は、現在、英語圏だけで導入されている、Googleを本格的な AI検索に切り替えたサービスで、今後、日本でも導入されます。
AIモードは、これまでの検索よりも一歩進んだ「知的な応答」を目指しており、従来の「検索してクリックする」流れを変えてしまうかもしれないと指摘されています。
特に注目したいのは、AIによる検索結果が表示されたとき、Webサイトへのアクセスが大きく減っているという指摘です。さらに将来的には、Googleが「このブランドがおすすめです」と直接AIで紹介し、購入先まで誘導するようになるかもしれない、とも指摘されています。
つまり、これまでは検索する際に「キーワードの組み合わせ」によって検索していたものが、AIへの質問の投げかけによって回答が得られ、さらにその先の行動・購入まで AI が導いてくれるということ。
例えば、このようなシチュエーションが考えられそうです。
これまで「カナダ 旅行 おすすめスポット 家族」など検索していたものが、「家族でカナダに旅行に行く、どこに行けばいい?」と尋ねるようになり、Googleは「●●と●●は家族での旅行に最適です。日程と人数を教えていただければ、プラントの提示と予約をご案内します」と回答してくれる。そんな状況が浮かびます。
地方の中小企業にとって、この記事をどのように読み解けばいいでしょうか?
恐らく求められるのは、「検索で上位に出る」だけではなく「AIに紹介されるブランドになる」ということ。
先に紹介したように、AIの導入によっては自社サイトのアクセス数は減少するのですが、それを補うためにも AI検索の結果に「名前が出る」「信頼されて紹介される」ブランドになれれば、チャンスはあるということになります。
記事ではもう少し直接的な表現をしています。
適応しなければ、あなたは死んでしまいます。(中略)
私たちは適応し、変化し、実験する必要があります。
言ってみれば、Googleという一企業のサービスの変化に他なりません。ですが、これが日本にいる私たち地方・中小企業にも大きな変化をもたらそうとしている現在をぜひ知っていただきたいと思います。英文の記事ですので、翻訳機能を利用してどうぞ。Check it!
AI時代のローカルSEO
【ローカルSEOの盲点】LLM時代に通用するローカルSEOの実践知(ミエルカ)
AI時代になっても、ローカルSEOの基本は実は大きく変わっていない。そんなことを教えてくれる、貴重なインタビュー記事をご紹介します。
世界的ローカルSEOの専門家・Greg Gifford氏は、これからのローカルSEO対策で大事なのは「テクニック」ではなく、「お客さんの疑問にどれだけ正面から答えられるか」だと解説してくれています。たとえば、専門用語ばかりのページよりも、「まぶたがたるんで困っている方へ」といった「悩みベース」のページの方が、検索にもお客さんにも届きやすいとのこと。
また、注目したいのは「情報を小出しにして問い合わせを待つ」やり方はもう通用しないという点です。AIが情報を集め、顧客もAIに聞く現在、出し惜しみせずに、答えを最初からすべて載せることがむしろ信頼につながるとのこと。それがAIにも拾われやすくなり、結果として見つけてもらえる可能性を高めることにもつながるそうです。「お客さんの疑問に先回りして答えるコンテンツ」を真面目に積み重ねること、お客さんの「困った」に寄り添うページを作ることが、これからますます価値を持ちそうです。
インタビュー形式ですので記事本体は長いのですが、今取り上げた以外にも、地方の中小企業にとっての示唆が数多くあります。うちは SEO には関係ないから…と見切ってしまうにはあまりにももったいないぐらい、地方(地域)のお客様と「どのようにコミュニケーションを作ったらいいのか」に関するいくつものヒントがあります。
ぜひご一読ください。Check it!
AI Overviews と検索流入(国内調査)
AI Overviews(AIによる概要)が従来の自然検索流入や検索広告に及ぼしていると思われる影響に関する調査結果(キーマケLab)
Google検索のAI要約機能「AI Overviews」が、実際に企業の集客にどう影響しているのか、そのリアルな調査結果が公開されました。
この調査は、Web広告やSEOに関わる日本のマーケティング担当者325名を対象に行われたもので、2025年3月以降に「自然検索の流入が減った」と答えた企業は61.9%にのぼりました。「AI Overviews」の影響で、日本でも検索による自社サイトへの訪問が減っている(と実感されている)実態が示されています。
これらに対応するために、9割を超える企業がSEOの見直しに着手しているとのこと。具体的には、「FAQや構造化データの整備」「自社独自の情報を使ったコンテンツ作成」「ページ設計の見直し」など、AIに理解されやすい形での情報提供に取り組み始めているようです。
先に3本の記事で紹介してきたように、生成AI や AI検索の登場により、「調べる」という行為と「まだ見ぬお客様と出会う」という集客の位置付けが大きく変わり始めています。これらは今日明日で一気に変わるわけではなく、静かに(変化もわからないぐらいに)少しずつ変わっていくのですが、確実に変化が起こり、変わった後から振り返ると「こんなにも変わったのか!」と驚くほどの変化になるはずです。
私の感覚では、圧倒的に多くの企業はそのことにはまだこの変化には気づいていないように思います。
まずはこの調査結果をぜひご覧いただき、どんなことが起き始めているのかを知っていただきたいと思います。加えて、「SEO」だとか「検索」だとかの狭い範囲で考えるのではなく、「お客様と出会う」「お客様に知ってもらう」「お客様とコミュニケーションする」というより広い視野で今起きていく変化を捉えていただきたいと思います。
そんな意識でぜひご一読ください。Check it!
次回をお楽しみに!
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