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Be-Chu' s Perspective

 

 

茨城県潮来(いたこ)市で「自治体サイトの課題と今後のあり方」と題してお話しさせていただきました。(2018年11月)
潮来市さんは情報発信研修を積極的にされていて、毎年複数回、さまざまな角度・分野から実施されているのだそうです。

今回は、自治体サイト&ネットによる情報発信がテーマということでお声掛けいただきました。

参加されてたのは、各課でホームページの更新業務を担当されている皆さんと、情報発信の中心となっている部署の皆さんです。

 

 

 お話しさせていただいた概要は以下の通りです。

 

1.地方のネット活用 基本の「き」

「SNSを効果的に活用する観光情報発信セミナー」にてお話しさせていただきました。自治体さん向けのセミナーでも、企業向けセミナーでも、必ずお話しさせていただくのがこの話。「そもそも地方がネットを活用するってどういうこと…?」という話です。

地方でネットを利用する我々にとっては本当に大切な事なのですが、ほとんどの方がこのことを考えてみたことはないようで、セミナー後のアンケートでも「た、確かにそうだ!」と目の鱗が落ちる方がたくさんいらっしゃいます。

 

どうしてそんな大切なことに気づかないのかというと、それは「ネット利用の錯覚」に陥っているから。残念なことに、それが原因でネット活用の可能性をそぎ落としてしまっているいう現実があります。

ということで、どうしてそういう錯覚に陥ってしまうのか…という説明をさせていただきながら、基本の「き」をご紹介させていただきました。

 

私は毎回、「ここを理解しないと先に進めませんよ!」とお伝えしています。
「第一歩を東に踏み出すのか、西に踏み出すのか」ぐらいの大きな違いが生れますよ~と。

この基本的なことに気づいてしまった人は、かなり意識がかわります。

 

2.自治体サイトのこれまでの流れと課題

自治体サイトのこれまでの流れと課題次は「自治体サイトの歴史」に関する簡単なおさらいです。
ちょっと眠たくなりそうな話ではありますが(笑)、これまで自治体サイトがどのような形で構築・運営・管理されてきたのかを、時系列で振り返りながら、各段階でどのような「課題」が発生し、どう「解決」されてきたのかをお話ししました。

 

 

【キーワード】

CMS、ユーザビリティ、アクセシビリティ、ユニバーサルメニュー、ソーシャルメディア

 

その流れの結果、現在の自治体サイトを運営する「仕組み」があり、運営する「システム」(多くが自治体用CMSだと思います)があり、未だに解決されていない「課題」と、新しく生まれた「課題」がある、ということです。

もし「これを何とかしたいなぁ…」という課題があったとして、それが今現在の課題ではあるけども、もうずっと前からそれを解決しようとして思考錯誤されてきた流れがあるのだといたら、それを知っているか知らないかは大きな認識の違いになって表れてくるハズ。そんなことも踏まえて、この大きな流れを理解していただくことが大きいかと思います。

 

このような流れも踏まえて、課題として大きく2つを紹介しました。

 

【課題1】意識や基準が各課に任されてしまう

「デザインの統一」「統一的なメニュー構造」「各課によるページの管理」が可能になる CMS を導入したことで自治体サイトは大きく生まれ変わりましたが、それでもまだ「わかりづらい」「情報が伝わらない」といった課題は残り続けています。これらは CMS が解決してくれるというよりも、CMSを操る「人」に大きく左右されるという現実があります。
「どんな情報を」「どう掲載するのか」は「人」が判断するしかないからです。
(CMSはあくまでもツールです)

 

ですから、情報発信に携わる方々が、「どんな情報を」「どう掲載するのか」について「統一的な意識と基準」を持っていることが必要ですし、それをサイト全体のレベルで見ている「実務リーダー」も必要になります(これはシステム管理者とは異なります)。

 

 

【課題2】自治体サイトの未来が見えていない

大げさな言い回しでスミマセン(笑)。
これまで自治体サイトは「情報公開」→「市民への情報提供」という形で進んできましたが、それだけでは済まされなくなってきました。今、求められるのは、人口減少に起因する「地方創生の取り組み」「観光・移住・産業誘致への取り組み」など、「域外への情報発信」ということです。

簡単に言うと「情報発信」から「マーケティング」というフェーズに入っているということですね。

 

もう一つは(情報発信という領域を超えて)、IT を活用した「住民サービスの効率化」「情報サービス」ということがあげられます。

千葉市さんがされている「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」はまさにコレです。
https://chibarepo.secure.force.com/

 

今回、この課題を踏まえて、さらに 「域外への情報発信」ということについてもう少し掘り下げて紹介しました。

 

3.地方の情報発信戦略

これまでも地方は、域外に対して情報発信をしていなかったわけではありません。
例えば観光では、JRやJTBと一緒に大きなキャンペーンを展開したり、ゆるキャラを作ったりと、色々な趣向を凝らした情報発信をしてきています。

私がお話ししたのは、そのような話ではなく、地方がネットを活用して(お金をあまりかけずに)できる、地方ならではの情報発信の考え方とその方法です。その一部を、シリーズ「小さい町の観光サイト作り方」というブログ記事で紹介していますのでよろしければご覧いただけましたらと思います。

※うぁ シリーズがまだ途中でした...

 

  

4.わかりやすい自治体サイトのためのヒント

わかりやすい自治体サイトのためのヒント

1~3の話はどちらかというと、サイト全体や情報発信の方向性を担う部署向けの話ですが、この4番目の話は、日々の更新を担う各課の担当者向けの話になります。

ユーザビリティ講座と題して、最前線で更新作業を担当される方々に向けて、「情報への入口は複数設ける」など、7つのポイントに絞って考え方をお話ししました。

掲載された情報が市民の方(ユーザー)はどう見えるのか、どのような気持ちで見ているのかということを、実例も踏まえながらの紹介したのですが、それは、細かいルールを100個お話しするよりも、「どうしてそういう考え方をしないといけないのか」をご理解いただければ更新作業の各場面でわかりやすさに配慮した作り方ができるのではないかと考えたからです。

「あ~そっか、そういう見方をされるのか~~」ということですね。

 

 

 

ご覧の通りかなりのボリュームの内容だったので話の展開が早かったかもしれませんがご容赦ください。

「SNSを効果的に活用する観光情報発信セミナー」にてお話しさせていただきました。私はお話しさせていただく時、今日明日役立つ10個のことよりも、数年後も役立つような1つのことをお伝えした方がいいのではないかという思いでお話ししています。今回もボリュームはたくさんありますし色々な切り口の話になっていますが、お話しした基本は本当に簡単なことです。それは、

 

  1. 地方はネットというスゴイものを手に入れているんです♪
  2. 僕たちの何気ない日常は、他の方にとっては特別な体験なんです♪

 

という、2つに尽きます。
今回の潮来市の職員の皆さんにも、このことをいっぱいお話しさせていただきました。

 

潮来市の職員の皆さんの情報発信に少しでもお役に立つものになっていれば幸いです。ありがとうございました。

 

終了後、皆さんにご記入いただいたアンケートからいくつか紹介したいと思います。
潮来市の皆さん、本当にたくさん書いてくださいました。(ありがとうございます)
あまりにたくさんなので、一部だけでごめんなさい。

 

【参考になったこと】

  • サイトのヒントに注意をして更新していこうとおもいました。「見つけてもらう」を意識していきたいです。
  • 改めてユーザビリティの重要性について理解した。
  • コストをかけなくても小さな街でも、効果的な情報発信が可能であることがとても参考になりました。
  • 一言でネット活用と言っても「知ってもらう」と「見つけてもらう」ものとでは確かに違うと思いました。
  • ホームページ作成等に関して、どのような視点考え方で作成していけばよいのか。
  • ページをつくる上で、大切な7つのことを確認するのができ、現在もアップされていものを見直し、多くの方に見てもらえるようなものにしたいと思いました。
  • 自治体サイトの課題と今後の有り方と解決に向けた考え方
  • ユーザー像についての認識の仕方と、情報発信するうえで気を付けなければならない点。
  • 情報を発信するときは、利用者の立場で考えて、分かりやすく作成する必要があるということが参考になりました。
  • 知らないからアクセスできない、アクセスがないからサービスできないという情報発信の方法を考えさせられた。
  • 意識を変えて、相手目線で作成していきたいと思う。
  • 姿勢、視点が参考になりました。
  • 潮来に興味がない人が「知りたい何か」を経由して、潮来につながるのがわかって良かった。
  • 情報発信は「市民に」がゴールではなく、その外部にまで届けることが重要だと思いました。
  • 市が知ってほしい情報と、見ている人の知りたい情報は違っているということ。
  • 情報発信するのに、場所は関係なく、世界にも届くということ。
  • ホームページ作成にあたり、利用者からの視点を重点ポイントに、また、情報発信は世界中に発信していることを意識していく。
  • 世界の色んな人が見るページを作るという意識の大切さ。

 

【もっと知りたいこと】

  • SNSとサイトの上手な連携例など
  • ユーザーが分かりやすいと感じるサイトはどんなものか、具体的な事例を知りたかった
  • テクニックの面。具体的な方法、例をもう少し知りたいです。
  • 検索してもらえるようにするにはどうしたらいいか。
  • インスタ、Facebook、TwitterなどSNSそれぞれの特徴や使い方
  • 逆の発想を身に付ける演習

 

 

潮来市の情報は↓からどうぞ 

潮来市ホームページ

 

そういえば「潮来釣り女子部」が部員を募集しているとお話しいただきました。
ご興味ある方はどうぞ♪

 

 

お伺いした時、ちょうど潮来で紅葉が始まった時でした。
少しだけ潮来の街をご案内いただき、外国の方もツアーでいらっしゃるという、長勝寺でパチリさせていただきました。

長勝寺

 

長勝寺

 

 

 


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